SSブログ

「老後の資金がありません!」

10月最終日の本日31日は衆議院議員総選挙投票日です。投票に出かけるたびにいつも違和感を覚えるのは最高裁判官国民審査です。小選挙区も比例代表も有権者が一票を投じるのに対し、最高裁判官国民審査はふさわしくない裁判官に×(バツ)を記入します。裁判に縁のないひとからすれば関心がありませんし、とりあえず国民の声は聴いていますよ的な国民投票に便乗した形の投票。重要であることは分かりますが、こんな難しい判断を求められても困ります(笑)


老後の資金がありません.jpg

老後に必要な生活費は2000万!この政府の発表は衝撃的で自分の台所事情を把握し直すとともに今後の身の振り方を考えさせられました。本作は一人の主婦の視点から切実な問題に迫り、笑いとユーモア、感動を交え老後の選択肢についても提案が盛り込まれたエンタメコメディです。


年金の受け取りを待ちわびる人や年金を期待していない若者たちと老後の資金問題についてその温度差はあるものの人生をトータルで考えると安易にスルー出来ないタイムリーな問題作。家計を切り盛りする主婦の目線で出費に生じた金額が可視化された演出には思わず吹き出してしまいました。


欲しいものを我慢して生活を切り詰める主婦 後藤篤子(天海祐希)が街頭宣伝の映像(経済ジャーナリスト 萩原博子さん)を観て節約の気持ちを引き締めるワンシーン。ここから始まる怒涛のライフイベントとイレギュラー。葬儀、結婚、姑の同居、オレオレ詐欺、失業!不測の事態に伴う経済的大ピンチに立ち向かう主婦の奮闘記は、シリアス問題だからこそコメディが響きます。


身近なテーマだけにだれもが共感することの出来る作品です。親族間の赤裸々な問題も主人公の主婦を天海祐希さんが演じてくれるならすべて明るく解決してくれると錯覚してしまう。これも人徳というものなのでしょう(笑)


新聞記事の経済特集「日本経済の現在地」第4回では働く世帯の平均貯蓄は1378万円だそうですが、その中身を見てみると3分の2はその額に届いておらず、富裕層が平均を押し上げているのだそうです。それはいいとして2000万という金額には程遠い現実。開き直るか抗うか、生き方が問われる時代ですね。


作品に出演している萩原博子さんの著書「年金だけでも暮らせます」は、私も少しでも不安を払しょくしたくて購入したのですが、老後を年金だけで暮らす「勝ち組」も実は多く存在していてこの人たちが実践し、徹底させていることを参考までに抜粋しますと


・正確な情報を得て、現行の制度を活用すること

・出費を最低限に抑えて、現金を減らさない


この二つだそうですよ。


人生ケセラセラとは言いますが…(笑)


監督:前田 哲

脚本:斉藤ひろし


キャスト

天海祐希、松重豊、新川優愛、瀬戸利樹、加藤諒、柴田理恵、石井正則、若村麻由美、友近、クリス松村、高橋メアリージュン、佐々木健介、北斗晶、萩原博子、竜雷太、藤田弓子、哀川翔、毒蝮三太夫、三谷幸喜、草笛光子ほか


2021.10.30公開 日本映画

上映時間:115分


新作映画・試写会ブログランキング参加用リンク一覧

nice!(29)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

「デューン~砂の惑星~」

27日にネットで「DUNE/デューン 砂の惑星」の続編が決定の記事を読みました。現在劇場で公開されている本作は2部作でまだ後編が公開されていませんから後編公開後のお話になるのだと思います。全米では2023年10月20日公開。日本では2023年公開予定だそうです。


デューン.jpg

1984年に公開されたデヴィット・リンチ監督作から37年ぶりにリメイク公開された超大作。宇宙船の重量感、広大な砂漠、突如現れるサンドワームなどなどスケール感は圧巻!これはもうIMAXでしょ(当方はIMAXの鑑賞ではないのでちょびっと後悔)!


デヴィット・リンチ監督版はレンタルビデオで鑑賞済みなので、ストーリーはほぼ頭に入っていました。ところが本作はそこそこ時間が経過しても話が進まないのでおかしいと思ったら途中で終了。そうなんです、作品は2部作のうちの前編だったのです(鑑賞後に知りました:笑)。


宇宙航行に必要な香料の産地である惑星アラキス(砂の惑星)。この惑星の統治を宇宙皇帝から命じられたアトレイデス公爵は、アラキスに移住する。ところが、香料で莫大な利益を得ようと画策するハルコンネン男爵の陰謀によりアトレイデス公爵は殺害され、母親と息子のポールも拘束されてしまう。


アトレイデス家とハルコンネン家という二大勢力の争いが描かれているのですが、覇権争いではなく利益目的で奇襲をかけたハルコンネン家に対するポールの逆襲というシナリオです。私利私欲にまみれたハルコンネン家は、正当な統治者アトレイデス家とは対照的で品がありません。分かりやすい勧善懲悪なドラマです(笑)


未知の映像体験と謳われるだけあって本作ドゥニ・ヴィルヌーヴ監督版はマニア心をくすぐります。本作に登場するサンドワームが如何に大きいかを表現する俯瞰映像や航行で使われる羽根機は「天空の城ラピュタ」に登場したドーラ一家が使用していた飛行機を彷彿とさせ、宇宙船から降りてくる人との対比など細かいところほど手を抜かず、ツボをしっかりと抑えています。


「デューン」を初見の方は旧作は鑑賞せず(とりあえず今は)、映像に酔いしれながら後編に期待しようではありませんか。


旧作のデヴィット・リンチ監督作は上映時間137分です。噂によりますと4時間越えの完全版が存在するらしいのですがお蔵入りなのだとか。この話本当ならば蔵出しして欲しいですね。


監督:ドゥニ・ヴィルヌーヴ

脚本:ジョン・スペイツ

原作:フランク・ハーバート


キャスト

ティモシー・シャラメ、レベッカ・ファーガソン、オスカー・アイザック、ジョシュ・ブローリン、ゼンデイヤ、ジェイソン・モモア、ハビエル・バルデム、ステラン・スカルスガルド、デイブ・バウティスタ、スティーブン・マッキンリー・ヘンダーソン、チャン・チェンほか


2021年公開 アメリカ映画

上映時間:155分


新作映画・試写会ブログランキング参加用リンク一覧

nice!(27)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

「CUBE」

地元平塚に映画館が復活した2000年から収集に切り替えた映画のチラシ。当初は平塚と茅ケ崎、海老名に足を運びました。現在では辻堂、小田原、厚木と広範囲になりました。理由は劇場によって上映される映画が異なることに気づいたからです。週一回のペースで劇場に通いファイルで整理して20年経過すると写真のようになります(笑)


所蔵チラシ.jpg

カラーボックスが積み上げられているのは、チラシが増えるごとに買い足していったからです。ファイルも中には経年劣化でひび割れが生じ、交換も…。掃除中にファイルを開こうものならその時点で掃除が終了してしまうこともしばしば(笑)


cube5.jpg

海外発のサスペンススリラーをリメイクした日本版。マニア向けな作品なので好きな人は楽しめます。R指定ではありませんのでグロい描写もおとなしめ。


何の共通性もなく、性別も年齢も無作為に拉致されてなぞの部屋に閉じ込められた選ばれし不運な人たちの脱出劇。


海外版を鑑賞したのはかなり昔のことなので曖昧な記憶に頼っていますが、謎で始まって謎に終わる。閉じ込められた立方体の部屋それぞれに仕掛けられた殺人トラップの恐怖に抗いながら極限状態での人間模様が晒される究極のドラマ。誰が何の目的で人々を拉致し、この部屋に運び込んだのか?こんなことに資産を投じる悪趣味としか言いようのない犯人も不明。なぜここにいるのかもわからない拉致被害者の目的はひとつ、「脱出」です。何の情報もない隔離された部屋で所持品もなく手がかりを探し行動あるのみ。さて日本版は?


基本的にはこの設定は維持されつつ、日本版で加えられたのは現代社会を反映した人間ドラマです。脱出という共通した目的を果たすために不可欠なのは協力です。本作では、心に問題を秘めている人たちが目的から逸脱する状況に陥るというさらに深刻さが増したドラマ。拉致された人々に注目してみるとそれぞれに個性がかんじられるもののあれ?この人、なんかおかしい?と気づかされる展開にご注目。


要約すれば海外版は、トラップの恐怖と脱出劇に特化したスッキリしないドラマ。日本版は、微かな希望を残し、キューブの謎に触れた?と思わされる脱出ドラマ(スッキリしませんが…)。


好き嫌いが分かれる本作。興味のある方は是非!(笑)


監督:清水康彦

脚本:徳尾浩司


キャスト

菅田将暉、杏、岡田将生、田代輝、斉藤工、吉田鋼太郎、柄本時生、山時聡真


2021.10.22公開 日本映画

上映時間:108分


新作映画・試写会ブログランキング参加用リンク一覧

nice!(28)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

「最後の決闘裁判」

最近劇場で配布されているチラシの中で10月22日から上映予定の「CUBE」が紙媒体ではなく、デジタル配信され異彩を放っています。この試みも時代の流れの一環だとは思いますが、紙媒体がないのは長年チラシに親しんできたものにとってはちと寂しい気もいたします。作品は1997年に公開されたカナダ映画「CUBE」(面白い作品です)のリメイク版で、日本でどうアレンジされるのか楽しみです。


chube1.jpg


cube2.jpg


ネットの記事「マット・デイモンとベン・アフレックが、再タッグ!」に注目。二人が共演し、シナリオも手掛けたという「グッド・ウィル・ハンティング(1997年)」以来の作品が「最後の決闘裁判」。ロビン・ウィリアムズさん主演の「グッド・ウィル・ハンティング」は、いい映画です。当時は二人がシナリオを手掛けたと知って天才が舞い降りてきたと思いました(笑)


最後の決闘裁判.jpg

各章で括りそれぞれの中心人物の視点で描かれた本作、1386年にフランスで起こった史実を土台に鑑賞者が陪審員となって見届けて欲しいと言わんばかりの力作。一騎打ちでの武器の選択で呪術のかかった武器は使用禁止といった非科学的な時代の出来事、決闘裁判自体も現代では裁判にはなりませんがそこは雌雄を決する大一番です。


まず、チラシのデザインが素敵です(笑) 決闘を表す対照的な上下の剣の中心に女性の姿が…。この女性こそが盟友同士の騎士を決闘に駆り立てるきっかけとなった被害者なのです。ドラマの主題を無駄なくみごとに表現しています。


王への忠誠を誓い国を守ってきたジャン・ド・カルージュ(マット・デイモン)と旧友のジャック・ル・グリ(アダム・ドライバー)。二人は戦場でも助け合う固い絆で結ばれた戦友でもあります。まさかこの二人が生死を争い、正義を神に委ねる決闘裁判を繰り広げることになろうとは…。


以下バックグリーンベタ部分ネタバレ注意!


ことの発端はジャン・ド・カルージュが遠征の留守中に妻のマグリッドをジャック・ル・グリが強姦してしまったことです。目撃者もいなければ、証拠もない。ジャンに訴えられたジャックは無実を主張。妻を信じ、国王に直訴したジャンの訴えは国王に認められる。


盟友同士の騎士がなぜ決闘裁判の事態に至ってしまったのか?様々な背景、不条理な人間模様も丁寧に描かれていてクライマックスで爆発させる仕掛けと感じさせるシナリオが冴えています。


当時の時代背景を踏まえ、権力が幅を利かせていたことによる女性蔑視、ジャン夫妻が抱えていた悩みに試練が積み重なる展開にスキなし。圧巻の戦闘シーンや衣装などリアルにこだわるリリー・スコット監督の持ち味を肌感覚で堪能できました。


監督:リドリー・スコット

脚本:マット・デイモン、ベン・アフレック


キャスト

マット・デイモン、アダム・ドライバー、ジョディ・カマー、ベン・アフレックほか


2021年10月15日公開 アメリカ映画

上映時間:153分


新作映画・試写会ブログランキング参加用リンク一覧

nice!(30)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

「宇宙戦艦ヤマト2205 新たなる旅立ち 前章」

10月10日(日)23:15より放送されたTVシリーズ「鬼滅の刃/無限列車編」が視聴率二桁台の好スタートだそうです。新シリーズ「遊廓編」の前に無限列車編を挟んでくるとは想像していなかったのですが、煉獄ファンにはうれしいサプライズですね。


宇宙戦艦ヤマト2205.jpg

大人が漫画を読んだり、アニメを視聴するという行為は幼稚だという風潮が少なからず感じられた1970年代に風穴を開けた「宇宙戦艦ヤマト」。1974年にスタートした「宇宙戦艦ヤマト」は、実は低視聴率で終了しました。人気に火が付いたのは意外にも再放送からでした。


1974年版「宇宙戦艦ヤマト」は地球侵略を目論むガミラスとの闘いを描いた勧善懲悪スタイルでしたが、平成のリメイク版からは、衣替えしてガミラス側の視点も描かれるようになり安全保障条約を結ぶ関係になりました。ガミラスからの技術供与などもあって地球側もパワーアップ。


映像もドラマもアップグレードしました。


本作はガトランティスとの闘いが終わった後のつかの間の地球、時間断層と引き替えに生を得た古代進はヤマト艦長に、森雪が新鋭艦艦長に就任し、クセあり、問題ありの新人たちの訓練飛行に旅立つ前章。


友好関係にあるガミラスの総統デスラーは母星の滅亡が迫る中移住先を探す旅を続けているが、留守中になぞの敵から母星を攻撃され危機に陥る。


昨日の敵は今日の友。友好関係にある相手(ガミラス)が何者かに攻撃されたら、見過ごしておけるのか?こうしてヤマトも戦火に巻き込まれてゆくのだと推測されますが、この政治的なドラマの展開、新たな敵の正体は後章でのお楽しみ。


初代宇宙戦艦ヤマトから47年経過し、キャストの声を演じている声優さんも当時の方はいらっしゃいません。新しい世代にバトンタッチされたわけですが、声優さんが注目されるきっかけになったことも1974年版ヤマトの功績ではないかと思っています。


監督:安田賢司

構成・脚本:福井晴敏、岡秀樹


キャスト

小野大輔、桑島法子、鈴村健一、大塚義忠、畠中祐、山寺宏一、井上喜久子、村中知、岡本信彦、波多野渉、森永千才、伊東健人 ほか


2021年日本映画

上映時間:103分 


新作映画・試写会ブログランキング参加用リンク一覧

nice!(29)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

「007 NO TIME TO DIE 」

趣味で切手の収集を1993年から続けているのですが、先月9月に事件がありました。下の写真の切手発行予定表にある9月3日発売予定の第76回国民体育大会(原色で表示)がコロナ禍の影響で大会が中止となり、切手の発売も中止になってしまいました。こんなことは切手収集を始めて以来初めてです。ただ、郵便局のお話では気付かずに発売してしまい大問題になってしまったそうですので購入された方はラッキー!まぼろしのお宝を手にしたことになります。購入された方、大切になさってください(笑)


国民体育大会.jpg

ちなみに切手収集を始めた1993年(平成5年)当時は、はがきが41円、封筒が62円でした。この年は皇太子殿下(現天皇陛下)と小和田雅子さま(現皇后陛下)がご成婚された記念切手も発売されました。



007.jpg

6代目ジェームズ・ボンドを演じるダニエル・グレイグさん最後の勇姿。血で血を洗う因縁の敵役を「ボヘミアン・ラプソディー」でフレディを演じたラミ・マレックさんが熱演。ボンドガールにボンドカー、お馴染みMI6のメンバーに新星も登場。若返ったQが開発した新兵器を携えて敵地に踏み込む!


007始まって以来の衝撃ラスト!お疲れさまでしたと思わずにはいられない結末にフリーズ。


ダニエル・クレイグさんが、いよいよ本作をもってジェームズ・ボンド役を引退するそうです。そんな彼のために考えられたシナリオなのか?お約束はしっかりと描きつつもジェームズ・ボンドのプライベートに切り込んだファミリーヒストリーのような新しい切り口に感情移入してしまいました。


光と影の対をなす構図は、007の絶対条件!本作に登場する敵役は過去の因縁が生み出した怪物サフィン(ラミ・マレック)。なんで能面を付けているのか分かりませんけどマスクのポーカーフェイスが不気味!敵の敵はやっぱり敵だったというワルっぷりです。でも日本文化の能面使ってくれてありがとう(笑)


スパイアクション一筋で59年も続いている作品ってすごくないですか?以前記事にしましたけど、007シリーズは私の洋画劇場鑑賞デビュー作「第9作 黄金銃を持つ男」なんです。初代ボンド役のショーン・コネリーさん、二代目 ジョージ・レーゼンビーさんはすでに引退していて ロジャー・ムーアさんが三代目のボンド役をつとめました。敵は、吸血鬼ドラキュラ役でお馴染みだったクリストファー・リーさん演じたスカラマンガ(興奮しましたよ)。英語がわからないので大丈夫か不安でしたけど、字幕スーパーがあることを初めて知って安心したことを今でも覚えています。こんなご縁のある作品ですからジェームズ・ボンドのバトンを絶やさないで欲しい。そんな愛着があるのです。


鑑賞はちょっと奮発しまして109シネマズ湘南さんに新設されたIMAXレーザーで鑑賞しました。スクリーンの大きさはもちろん、映像の色味や音響も最高峰の贅沢。2021年の記憶に残る1本になりました(笑)


監督:キャリー・ジョージ・フクナガ

脚本:ニール・パーヴィス&ロバート・ウェイド&キャリー・ジョージ・フクナガ&フィービー・ウォーラー=ブリッジ


キャスト

ダニエル・グレイグ、ラミ・マレック、レア・セドゥ、ラシャーナ・リンチ、ベン・ウィショー、アナ・デ・アルマス、ナオミ・ハリス、レイフ・ファインズ、ロリー・キニア、ジェフリー・ライト、クリストフ・ヴァルツほか


2021年公開 イギリス映画

上映時間:164分


新作映画・試写会ブログランキング参加用リンク一覧

nice!(28)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。