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「最後の決闘裁判」

最近劇場で配布されているチラシの中で10月22日から上映予定の「CUBE」が紙媒体ではなく、デジタル配信され異彩を放っています。この試みも時代の流れの一環だとは思いますが、紙媒体がないのは長年チラシに親しんできたものにとってはちと寂しい気もいたします。作品は1997年に公開されたカナダ映画「CUBE」(面白い作品です)のリメイク版で、日本でどうアレンジされるのか楽しみです。


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ネットの記事「マット・デイモンとベン・アフレックが、再タッグ!」に注目。二人が共演し、シナリオも手掛けたという「グッド・ウィル・ハンティング(1997年)」以来の作品が「最後の決闘裁判」。ロビン・ウィリアムズさん主演の「グッド・ウィル・ハンティング」は、いい映画です。当時は二人がシナリオを手掛けたと知って天才が舞い降りてきたと思いました(笑)


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各章で括りそれぞれの中心人物の視点で描かれた本作、1386年にフランスで起こった史実を土台に鑑賞者が陪審員となって見届けて欲しいと言わんばかりの力作。一騎打ちでの武器の選択で呪術のかかった武器は使用禁止といった非科学的な時代の出来事、決闘裁判自体も現代では裁判にはなりませんがそこは雌雄を決する大一番です。


まず、チラシのデザインが素敵です(笑) 決闘を表す対照的な上下の剣の中心に女性の姿が…。この女性こそが盟友同士の騎士を決闘に駆り立てるきっかけとなった被害者なのです。ドラマの主題を無駄なくみごとに表現しています。


王への忠誠を誓い国を守ってきたジャン・ド・カルージュ(マット・デイモン)と旧友のジャック・ル・グリ(アダム・ドライバー)。二人は戦場でも助け合う固い絆で結ばれた戦友でもあります。まさかこの二人が生死を争い、正義を神に委ねる決闘裁判を繰り広げることになろうとは…。


以下バックグリーンベタ部分ネタバレ注意!


ことの発端はジャン・ド・カルージュが遠征の留守中に妻のマグリッドをジャック・ル・グリが強姦してしまったことです。目撃者もいなければ、証拠もない。ジャンに訴えられたジャックは無実を主張。妻を信じ、国王に直訴したジャンの訴えは国王に認められる。


盟友同士の騎士がなぜ決闘裁判の事態に至ってしまったのか?様々な背景、不条理な人間模様も丁寧に描かれていてクライマックスで爆発させる仕掛けと感じさせるシナリオが冴えています。


当時の時代背景を踏まえ、権力が幅を利かせていたことによる女性蔑視、ジャン夫妻が抱えていた悩みに試練が積み重なる展開にスキなし。圧巻の戦闘シーンや衣装などリアルにこだわるリリー・スコット監督の持ち味を肌感覚で堪能できました。


監督:リドリー・スコット

脚本:マット・デイモン、ベン・アフレック


キャスト

マット・デイモン、アダム・ドライバー、ジョディ・カマー、ベン・アフレックほか


2021年10月15日公開 アメリカ映画

上映時間:153分


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