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「Mank/マンク」&「ロード・オブ・カオス」

第93回アカデミー賞作品賞は、「ノマドランド」が受賞しました。今回のアカデミー賞は、昨年から続くコロナ過の影響で劇場も休館、大作も延期といった中でNetflixオリジナル作品が複数作品賞にノミネートされていることは象徴的でした。私は、基本劇場鑑賞のスタンスなのですが、さすがにAmazonプライム(気が付いたら会員になっていた組)で過去作を鑑賞する機会が増えました。お陰様で作品賞ノミネート作品「サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ」が鑑賞出来たことや鑑賞数が増えるとお好みの作品を紹介してくれる機能も体験出来て、買い物も出来るので満足しています。ただ問題なのは、詐欺メールが毎日届くことです。会員の方はご注意を! 映画「サウンド・オブ・メタル 聞こえるということ」は、音が聞こえなくなった主人公(ドラマー)の聴覚の状態を鑑賞者が生々しく体験しているような演出になっていて、作品賞こそ逃したものの編集賞、音響賞を受賞しました。


マンク.jpg

オーソン・ウェルズ監督の名作「市民ケーン」を鑑賞した方、若しくは知っている往年の先輩諸氏ならば興味深く鑑賞出来ると思います。作品は、「市民ケーン」の脚本を執筆したハーマン・J・マンキヴィッツ(マンク)が主人公のドラマです。


市民ケーン表.jpg 

このジャケット、リバシじゃないんですよ。安いのはよいのですが、露骨過ぎます(笑)


「市民ケーン」は1941年制作の映画なので、その脚本を執筆したハーマンのドラマであることから当時のスタンダードであったモノクロ作品として表現されているようです。


「市民ケーン」の脚本が完成するまでを描いた本作は、ハリウッドの裏事情、人間関係(しがらみ)に苦悩し、理不尽と向き合いながら執筆するマンクの奮闘記です。アルコール依存症ではありますが、普段のマンクは、ウィットに富んだ会話が人々を楽しませる人気者。ゲイリー・オールドマンさんの話術、演技には引き込まれます。


このお話が仮に真実だとしたら、今だから上映出来る作品なのかも知れません。アカデミー賞撮影賞、美術賞を受賞しました。


市民ケーンうら.jpg

表面には記載がありませんが、ジャケット裏側には、ちゃんとハーマン・J・マンキヴィッツが記載されています。(画像を大きめにしたのですが確認出来ますか?)。


監督:デビット・フィンチャー

脚本:ジャック・フィンチャー


キャスト

ゲイリー・オールドマン、アマンダ・セイフライド、リリー・コリンズ、サム・トラウトン、フェルディナンド・キングズレー、タペンス・ミドルトン、トム・パーク、ジョセフ・クロスほか


2021年公開アメリカ映画

上映時間:132分


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ロード・オブ・カオス.jpg

何事もほどほどに。メタルバンドの神髄を私は知りませんが、彼らが崇拝していたサタニズム(悪魔崇拝)が、暴走を招く衝撃作!メタルバンドの王をめざした若者が一線を超えた先に待っていたものは、ドラマではなくホラーだった!


昔、KISS(キッス)というバンドが日本で流行ったころは、まだメタルというジャンルはなくて、ハードロックと呼称されていました。ボーカルのジーン・シモンズさんがチラシの若者のようなメイクをして叫ぶように唄う「狂気の叫び」。ライヴに行ったことはありませんが、血を吐いたり、火を吹いたりと当時としては過激な部類だったと思います。でもこれらはあくまでも演出でした。


1987年のノルウェー。登場する若者たちは、ブラック・メタルというジャンルのバンド「メイヘム」を立ち上げるのですが、これが尋常ではないんです。彼らが抱くブラック・メタルという世界観には死臭が漂っています。生を否定し、死を肯定する。バンドのボーカルがショットガン自殺した写真を部屋に飾り、死体の一部をアクセサリーとしてメンバーに配り、宣伝したことでリーダーのユーロニモスがブラック・メタルの王に君臨。


真のブラック・メタルを追求するうちに、仲間どうしの覇権争いが勃発。ユーロニモスに実績を求められたヴァーグは、教会を放火するという神をも恐れぬ凶行に走り、更にエスカレート。


どちらがブラック・メタルの王か?この覇権争いの怖いところは、社会のルール、モラルが存在しないことです。


監督:ジョナス・アカーランド

脚本:ジョナス・アカーランド、デニース・マグナソン

原作:マイケル・モイニハン、ディードリック・ソーデリント「ブラック・メタルの血塗られた歴史」


キャスト

ロリー・カルキン、エモリー・コーエン、ジャック・キルマー、スカイ・フェレイラ、ヴォルター・スカルスガルドほか


2018年イギリス・スウェーデン・ノルウェー合作

上映時間:117分

R18指定


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「るろうに剣心 最終章 The Final」&「まともじゃないのは君も一緒」

2月初旬あたりから右肩に痛みを感じるようになりまして、最初は寝違えたのだろうと思っておりましたが、4月になっても痛みが治まらず、服を脱ぐのも容易ではなくなり「誰か脱がせて!」なんて情けない独りごとをいうほど症状がひどくなりました。何か悪い病気に罹ったのではないかと不安を隠せなくなりドクターに診てもらいましたらなんと「五十肩」。花粉症も突然でしたが五十肩も突然やって参りました。年齢が四十代で患えば四十肩、五十代なら五十肩だそうで、症状は一緒だそうです。ならば六十代で患えば六十肩?バカなことを考えているうちにいよいよ明日は第93回アカデミー賞の発表です(笑)


るろうに剣心最終章.jpg

前後編の連続作ではなく、本作は終わりと始まりをテーマとした別パート二部作のうちの最終章「人誅編」。過去のあやまちが、ブーメランのように己に襲い掛かる!


これまでアニメや漫画の実写化作品が数多く作られては、不作の山をこさえて参りましたが「るろうに剣心」はあたりです。


るろうに剣心の原作を私は読んでいないのですが、マーベルヒーローたちが、原作のキャラよりもかっこよかったのと同様、剣心演じる佐藤健さんがカッコイイ! ずば抜けた身体能力の高さ、アクションは、「キーハンター」に出演していた頃のアクション俳優 千葉真一さんを思い出します。


そして新たに剣心の前に現れた最強の敵 縁/えにし(新田真剣佑)は、千葉真一さんのご子息ですからね(DNAのパワーアップを感じます)。この対決、キャストの組み合わせもゾクゾクします。


剣心の十字傷の謎。逆刃刀(さかばとう)、不殺(ころさず)の誓い。このキーワードに迫る最終章。剣心が人斬り抜刀斎であったころの過ちが生み出した怪物 縁との因縁の激突は、まるでゴジラVSコング(笑) エンディング曲「ONE OK ROCK」で余韻に浸り、最大の関心事十字傷の謎、核心に迫る次回作へ!


監督・脚本:大友 啓史

原作:和月 伸宏「るろうに剣心-明治剣客浪漫譚-」


キャスト

佐藤健、武井咲、新田真剣佑、青木崇高、蒼井優、伊勢谷友介、土屋太鳳、三浦涼介、音尾琢真、鶴見辰吾、中原丈雄、北村一輝、有村架純、江口洋介ほか


2021年4月23日公開

上映時間:138分


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まともじゃないのは君も一緒.jpg

塾の講師と生徒の織りなす恋愛大作戦。二人の面白い掛け合いが満載、オチは漫才(笑) 意外にも楽しめたラブコメでした。


塾講師の大野(成田凌)は、数学オタクで結婚願望はあるけど女性にはおくてで、それ以前に考え方が普通じゃなくズレてると教え子の香住(清原伽耶)に突っ込まれるのですが、一方の香住も恋愛経験もない頭でっかち。


香住には憧れのターゲットがいるのですが、そのターゲットには相方がいて、香住にとっては邪魔者。その相方と大野をくっつけて別れさせようと画策し、恋愛シミュレーションとして大野をけしかけます。


香住のアドバイスが功を奏してか大野が、いいムードに。狙い通りの展開になるが…。成田凌さんと清原伽耶さんの滑稽なコンビぶりが、好印象!ぎこちないけど本気ゆえに、伝わる感情が化学反応を引き起こす。


二人のすったもんだにシンパシーを感じることが出来たら恋愛の達人?ラブコメファンには、お勧めです(笑)


監督:前田 弘二

脚本:高田 亮


キャスト

成田凌、清原伽耶、山谷花純、倉悠貴、大谷麻衣、泉里香、小泉孝太郎ほか


2021年3月19日公開

上映時間:98分


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「AVA / エヴァ」

19日(月)の夜、映画鑑賞が終わって車で家路をたどる中、ラジオ「ニッポン放送 清水ミチコと垣花正 MANE&MELODY」を聴いていました。この番組は、「八木亜希子 LOVE&MELODY」のパロディー番組なのですが、番組企画「3分でポン」のコーナーでは、カッキー(垣花正)のエンタメ紹介で映画&テレビシリーズの「ダウントンアビー」を3分ジャストで紹介していました(さすがアナウンサー)。「ダウントンアビー」はまだ未見なので、興味を持ちました(笑)


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知的な役柄がお似合いのジェシカ・チャステインさんが、暗殺者という新境地に挑む!これまでアクション俳優というイメージはなかったのですが、それを払拭するかのような大立ち回りを披露してくれました。頭脳もフィジカルも最強の暗殺者でありながら訳ありな事情も…。


裏社会で暗躍する暗殺組織の一員エヴァ(ジェシカ・チャステイン)は、いつも通り鮮やかに仕事を完了するが、彼女は組織からにらまれていた。理由は、実行前のターゲットに” 質問 " というNGを犯していたからだ。


次の仕事ではアクシデント発生。原因は、組織の指示ミスに寄るものとされるが、異常を察知したエヴァは、暗殺者としての育て親デューク(ジョン・マルコヴィッチ)と接触する。デュークが、組織のボス(コリン・ファレル)に掛け合うとあのアクシデントでエヴァが生きていることは、想定外だったと回答。


危険視されていることを知ったエヴァと暗殺組織の闘いが始まる。


家族もいるエヴァがなぜ、暗殺者になったのか?アクションにとどまらない人間ドラマも見どころ。


監督:テイト・テイラー

脚本:マット・ニュートン


キャスト

ジェシカ・チャステイン、ジョン・マルコヴィッチ、コリン・ファレル、ジーナ・デイヴィスほか


2020年アメリカ映画

上映時間:97分


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「AVA / エヴァ」を鑑賞したいと思ったきっかけは、フリーアナウンサーのカッキー(垣花正)が、何年か前に「女神の見えざる手」が、良かったといっていたのを思い出しての鑑賞です。


女神の見えざる手_S.jpg

ロビイストの ”女神” エリザベス・スローン役


ジェシカ・チャステインさんが、主演の「ゼロ・ダーク・サーティ」も「モリーズ・ゲーム」も劇場で鑑賞したのに「女神の見えざる手」だけは、なぜか見逃してしまったんです。


鑑賞してみたらもう最高で、クライマックスの裁判シーンは「やったぁ~!」って立ち上がっちゃいました(自宅鑑賞ですよ:笑) この作品を見て以来ジェシカ・チャステインさんにお熱(笑)「ゼロ・ダーク・サーティ」や「モリーズ・ゲーム」を鑑賞した時は、こんな気持ちにはなりませんでしたが、「女神の見えざる手」は特別な作品になりました。


モリーズゲーム_S.jpg

ポーカールーム(違法賭博)の経営者モリー役


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9.11の首謀者ビン・ラディンの所在を突き止めた執念のCIA職員マヤ役


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「ステージ・マザー」&「ナタ転生」

今週最大のニュースは、何といっても日本人初の偉業を達成した松山英樹さんのマスターズ優勝でしょう。長い歴史の中で何度も日本のトッププレイヤーが、チャレンジしてつかめなかった夢。グリーンジャケットを着た松山英樹さんが眩し過ぎます(110を切れない私が、言えるセリフではありませんが:笑)!優勝おめでとうございます。


ステージ・マザー.jpg

感動作って、やっぱり直球が響きます。ひねりなんていりません!息子への愛が、己の偏見を改め、行動が変わってゆく。映画って素晴らしい!


疎遠だった息子リッキーの訃報を知り、葬儀に参列するも「まるでミュージカル」だとその場を去ってしまう母親のメイベリン。しかし、「葬儀の形態はリッキーが望んでいたものできっと喜んでいると思う」。ゲイバーを経営し、リッキーと仲の良かったネイサンは、続ける。「リッキーは共同経営者で、彼が他界した現在、オーナーは、メイベリンであり、自分は家賃も払えず部屋を出てゆく」…。


いままで息子とそりが合わず、疎遠のままでいたのは理解しようとしなかったことが原因ではないだろうか?メイベリンは愛する息子を失って過去を振り返る。そして逆境をバネに、息子の遺したゲイバーの立て直しに動き出す。


息子に対する後悔が、母親をつき動かす引き金になるのですが、末期症状のゲイバーも問題山積。これをアイデアと行動で乗り越えてゆく母親の経営手腕もみどころ。「人は変われる、気付きと変わろうとする勇気さえあれば!」そんな気概を感じさせてくれるところも魅力的。


監督:トム・フィッツジェラルド

脚本:ブラッド・ヘンニク


キャスト

ジャッキー・ウィーバー、ルーシー・リュー、エイドリアン・グレニアー、マイア・テイラー、アリスター・マクドナルド、オスカー・モレノ、ジャッキー・ビート、エルドン・ティーレほか


2020年カナダ映画

上映時間:93分


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ナタ転生.jpg

中国の古代小説「封神演義」をベースとし、現代風にアレンジした中国発の3DCG作品。登場する神話の神々、魔物たち、輪廻転生の闘いといった奥行き感のあるファンタジーアクション。


ナタとは、「封神演義」に登場し、3000年以上昔に絶大な権力を誇る一族 東海龍王と死闘を繰り広げた7歳の少年神。


現代までその権力を維持し続ける東海龍王一族とナタの因縁の闘いが、再び始まる。


死んでも生まれ変わって、因縁対決するというこのドラマ。よく考えると闘いはエンドレスであり、その度に巻き込まれる人々が災難に見舞われるというとんでもないストーリーです(終わりはあるのか?)。


季雲祥という青年に生まれ変わったナタですが、季雲祥は自分がナタの生まれ変わりであることに気づいていません。運命が手繰り寄せたのか、季雲祥の愛するバイクをよこせと絡んでくるのが東海龍王一族の御曹司。


ナタが覚醒する前に季雲祥の息の根をとめようと刺客が迫る。


中国の街並みや生活の描写が、へんに未来化されていないところに好感がもてました。古代の神々や魔物たちとナイスなマッチング。それとナタを覚醒させようといにしえの魔物が、季雲祥の指南役として登場するのですが、この魔物の正体がなんと超メジャーなキャラでした。この演出も良かったです。


中国で大ヒットした本作、どうやら続編のにおいがいたします。もし、続編が公開されたら…。付き合いますよ、映画ファンですから(笑)


監督:趙霽


キャスト

楊天翔、宣暁鳴、凌振赫、張赫、朱可兒、季詩萌ほか


2021年中国映画

上映時間:117分


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「ザ・スイッチ」

9日から劇場のレイトショーが復活しました。徐々に従来の上映スタイルに戻りつつあります。半面、コロナの感染者が50万人超えのニュース、第4波が不安視されています。マスク、アルコール消毒は、車のシートベルト同様身を守るルーティーンになりましたが、ワクチン接種だけは、まだ見通しが立っておりません。映画を楽しみながら人との接触は、極力避ける引きこもり作戦が続いています(笑)


ザ・スイッチ.jpg

「ハッピー・デス・デイ(タイムループホラー)」の監督が攻める新作は、殺人鬼と女子高生の入れ替わりホラー。「13日の金曜日」ファンにとっては、たまらないポップコーン映画です(笑)


殺人鬼が、お面を被って登場するイメージは「悪魔のいけにえ」から始まったのではないかと個人的には思っているのですが、本作もチラシでは素顔がバレバレですが、劇中ではジェイソンもどきなお面をつけて登場します。


女子高生のミリーと殺人鬼”ブッチャー”が入れ替わった原因は伏せておきますが、ブッチャーと入れ替わった途端にミリーの地味だった性格がサイコパスに豹変するギャップは魅力的。入れ替わった肉体は24時間以内に元に戻さないと永遠に元に戻れないという制限付きなので危機感に追い詰められます。


学園が舞台、しぶとい殺人鬼(殺してもなかなか死なない)、殺人アイテムにチェーンソー、最後まで気を緩められない!とホラーの王道もしっかり踏襲されています。


監督:クリストファー・ランドン

脚本:クリストファー・ランドン、マイケル・ケネディ


キャスト

ウィンス・ボーン、キャスリン・ニュートン、アラン・ラック、ケイティ・フィナーラン、セレステ・オコナー ほか


2021年4月日本公開

上映時間:102分


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私が、入れ替わり作品を初めて鑑賞したのは、大林宣彦監督の「転校生」です。初めてだけにインパクトがありました。それと印象に残っているのは、滝田洋二郎監督の「秘密」。こちらは、親子(母と娘)の入れ替わりで結末が余韻を残します。


最近印象に残ったのは、以前紹介しました落合賢監督の「パパと娘の七日間」です。この作品は、舘ひろしさんと新垣結衣さん主演でテレビドラマ化された同名小説を原作としたベトナム映画です。


パパと娘の七日間.jpg





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「騙し絵の牙」&「ジャンクヘッド」

4月です。季節感もなく、地味にやっております。本日5日のネットニュースでは「鬼滅の刃 無限列車編」が、興収394億円突破、400億円の大記録まであと6億円とありました。6月16日にはBlu-ray&DVDが発売予定となっておりますのであと2ヶ月で大台に乗れるかの勝負所です。本作は韓国でもヒットのニュースもあり、もしやもしやのポテンシャルを秘めています。もし、400億を達成したら「鬼滅」ではなく「不滅」ですね(笑)


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大手出版社のトップが急逝、沸き起こる権力争いの渦。やるかやられるかの生き残りゲームは、最後までノンストップ!怒涛の結末まで楽しませてくれます


大手出版「薫風社」の社長急逝に端を発し、創業一族と社長の椅子に最も近い専務(佐藤浩市)の権力闘争の構図は、創業家の誇る伝統(小説部)VS社運巻き返しの新風(雑誌部)の乱。


ドラマの旗振り役は、雑誌「トリニティ」編集長 速水(大泉洋)。この男、用意周到、大胆不敵、神出鬼没と”仕掛け人らしい” 四字熟語がお似合いのやり手。目的のためなら手段を選ばず、禁じ手も厭わない!しかしリスクもちゃんと背負っているところが、憎み切れないというバランス感覚の持ち主。次に何を仕掛けるのか?目が離せません。


一方敵もさるもの引っ搔くもの、創業家だって指を加えて構えているわけがありません。この対立がどう決着を見せるのか?対立に巻き込まれてゆく伏兵(豪華俳優陣)たちもどこで翻るかわからない魑魅魍魎です(笑)


監督:吉田 大八

脚本:楠野 一郎、吉田 大八

原作:塩田 武士「騙し絵の牙」


キャスト

大泉洋、松岡茉優、宮沢氷魚、池田エライザ、斉藤工、中村倫也、坪倉由幸、和田聰宏、石橋けい、森優作、後藤剛範、中野英樹、赤間麻里子、山本學、佐野史郎、リリー・フランキー、塚本晋也、國村隼、木村佳乃、小林聡美、佐藤浩市ほか


2021年日本映画

上映時間:113分


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ジャンクヘッド.jpg

映画造りを独学で学び、制作に7年を費やし、一コマ一コマ撮影すること14万、日本ではなく海外で注目を集め、凱旋上映でメジャーデビューを果たした日本人の作品にビックリ!


アカデミー賞受賞のギレルモ・デル・トロ監督が、コメントを寄せてくれるだけの創造力、熱意が、地肌に伝わるこだわりの造形ここにあり!


遺伝子操作により長寿を得た人類は、その代償に生殖能力を失う。環境汚染やウイルス感染による人口減少の問題に歯止めをかけようと地底世界で独自に進化し、繁殖能力を得た人口生命体マリガンに希望を託し、人類の未来を賭けたSFドラマ。


映画のノウハウがなくてもここまで出来るものなのか?だとすればやるか?やらないか?これは極論ですが、近年流行というよりも一般的になったYouTubeの動画配信などを見ていて、すごい時代に生きていると思っているところにこの作品が飛び込んで参りました。何がスゴイって日本人の発信力、想像力です。なんか勇気づけられます。


監督・原案・キャラクターデザイン・編集・撮影・証明・音楽、そしてキャラの声まで演じているマルチな才能。とても一人の日本人が成しえたこととは信じがたいのですが、エンディングシーンには証拠のメイキング画像がっ!


キャラの声は、日本語ではなくて、未来語です(笑) フランス語と東北弁を足して2で割ったような言語なのですが、口から出まかせではなくて、同じ単語は同じ未来語で喋っておりましたので言語に至る細部までこだわっている徹底ぶりです。ちゃんと字幕まであるんですよ(笑)


お話は、終わりにすることも出来るし、続きも作れるような完結をしています。これで終りにはして欲しくない。期待せずにはいられない作品です。


監督・原案・キャラクターデザイン・編集・撮影・証明・音楽、声の出演:堀 貴秀


2021年日本映画

上映時間:99分


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