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「ROMA(ローマ)」

去る10日、知人の招待で「彩時記」というタイトルの風景写真展を鑑賞して参りました。展示された写真のサイズは、全紙の2倍(倍判)という大迫力でどの作品も素晴らしい力作揃い(写真を紹介できないのが残念)! 私が特に注意しながら観ていたことは、撮影機材がデジタルの作品のもので全紙の倍のサイズまで引き伸ばされた作品が、どこまでフィルム写真に近づいて来たかという点です(作品に張り付くくらいに近づいて細部をチェック)。CCDイメージセンサー(現在はCMOSセンサーが主流)がAPS-Cサイズ、フルサイズ(35mm判)とあって、APS-Cとフルサイズでは、その差が歴然ですが、APS-Cもフルサイズも普通に(離れて)鑑賞した場合ではフィルム写真と比較しても見分けが付きません。APS-Cの機材で撮影された作品も、巧みな構図、被写体で組み立てられていてフルサイズとの差をまったく感じさせませんでした(すごい!)。写真やアートの展示会は、癒されますし、気分転換になります。皆さんも足を運ばれてみてはいかがでしょうか。

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「ROMA(ローマ)」は、第91回アカデミー賞で作品賞、外国語映画賞など10部門にノミネートされ、外国語映画賞、監督賞、撮影賞に輝きました。そもそも劇場公開作品ではないネット配信(ネットフリックス)の作品が、アカデミー賞にノミネートされるという過去に前例のないことも今年のアカデミー賞の特徴と言えますが、果たして本作が劇場で上映されるのか?その点が一番気になっていたのですが、何と!イオンシネマさんが、切り込んでくれました。その勇気ある決断に感謝と敬意を称します。


アルフォンソ・キュアロン監督と言えば「ゼログラビティ」が思い浮かびますが、本作を鑑賞してみますと改めて「ゼログラビティ」がどうして面白かったのかが、解るような気がします。まず、描写のこだわりです。オープニングからして凝っています。そしてモノクロ作品にした理由です。1970年代のメキシコを舞台とした監督の自伝的作品だからかと思いきやそれだけではなく、実は過剰反応されがちな二つのシーンをオブラートに包みながら鑑賞者にインパクトを与えるという高等テクニック(鑑賞者へのこだわり)をやってのけています。そして家族を演じる役者さんたちの自然さは非の打ちどころがありません(リアリティへのこだわり)。本作は「ゼログラビティ」のような派手さこそありませんが、アカデミー賞受賞を踏まえ、大島渚監督の「愛のコリーダ」がエロか芸術かが、改めて問われるきっかけの作品になると思います。静と動の二刀流!良い意味で野心的でチャレンジャーな監督さんの次回作は如何に?


本作が、外国語映画賞をとってしまいましたので、期待していた「万引き家族」が受賞を逃してしまいましたが、「ROMA(ローマ)」は、1970年代のメキシコが舞台ですからその時代背景や映像も日本人からすればすべてが斬新に映ります。逆に考えると「万引き家族」も外国人からすれば同じ感覚なのではないか?そんなことをふと思ったのですが、どうしても分からないことがあります。なぜ、タイトルが「ROMA(ローマ)」なのでしょうか?


監督:アルフォンソ・キュアロン


キャスト
ヤリッツァ・アパリシオ、マリーナ・デ・タビラ、マルコ・グラフ、ダニエラ・デメサ、カルロス・ペラルタ、ナンシー・ガルシア、ディエゴ・コルティナ・アウトレイ他


2018年メキシコ・アメリカ合作映画
上映時間:2時間15分


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時代の節目を迎え、平成をお年玉年賀切手とアカデミー賞で振り返るシリーズ第5回です。


平成5年当時のお年玉年賀切手

お年玉年賀切手H5年.jpg



1993年(平成5年)

第66回 アカデミー賞
作 品 賞 「シンドラーのリスト」
主演男優賞 トム・ハンクス「フィラデルフィア」
主演女優賞 ホリー・ハンター「ピアノ・レッスン」
助演男優賞 トミー・リー・ジョーンズ「逃亡者」
助演女優賞 アンナ・パキン「ピアノ・レッスン」
監 督 賞 スティーヴン・スピルバーグ「シンドラーのリスト」
脚本賞<オリジナル> 「ピアノ・レッスン」
脚本賞<脚色> 「シンドラーのリスト」
撮 影 賞 「シンドラーのリスト」
美術監督賞 「シンドラーのリスト」
音 響 賞 「ジュラシック・パーク」
音響効果編集賞 「ジュラシック・パーク」
編 集 賞 「シンドラーのリスト」
作 曲 賞 「シンドラーのリスト」
歌 曲 賞  Streets of Philadelphia「フィラデルフィア」
衣装デザイン賞 「エイジ・オフ・イノセンス」
メイクアップ賞 「ミセス・ダウト」
視覚効果賞 「ジュラシック・パーク」
短編賞<アニメ> 「ペンギンに気を付けろ!」
短編賞<実写> 「Black Rider」
ドキュメンタリー映画賞<短編> 「Defending Our Lives」
ドキュメンタリー映画賞<長編> 「I Am a Promise:The Children of Stanton Elementary School」
外国語映画賞 「ベルエポック」
名 誉 賞 デボラ・カー

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