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「HOKUSAI」

5月最終日です。29日の朝刊1面で休業要請されていた映画館、博物館、美術館が時短要請に切り替えるとの記事がありました。感染要因の大半が飛沫によるものと考えるといずれも大声でおしゃべりする場所ではありませんし、マスクやアルコール消毒を実践していますので妥当な判断ではないかと思いました。鑑賞系のファンからすれば朗報ですね。


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葛飾北斎の絵は見たことあるけど、どんな人物なのか?そんな想像を膨らませながら駆け出しの時代から晩年までの人物像を二人の役者さんが熱演する三章構成作品です。


江戸時代の絵師 葛飾北斎さんの波の表現、遠方に臨む富士山。一度見ただけで心をさらわれるようなあの印象深い作品はどのようにして生まれたのでしょうか?


印刷技術のなかった時代に当時の人気アーティスト喜多川歌麿さんらをプロデュースしていた版元によって作品が流通していたというのも興味深くて、版元の主人 蔦屋重三郎(阿部 寛)が、まだ原石だった北斎に才能を見出し、育てるエピソードは魅力的。


人は出会いによって人生が大きく変わる。北斎と蔦屋重三郎の出会いがまさにそれで、山猿と噂される荒くれ北斎に「なぜ絵を描く?」という確信をついた質問に対する北斎の答えを聴いて「そんな気構えならやめちまえ!」と一喝するんです。自信もプライドもズタズタにされた北斎は、店を飛び出して行きますが、筋の通った蔦屋重三郎に認められたい気持ちがあったのか、作品を携えて戻ってくるんです。


蔦屋重三郎と出会わなければ、北斎は存在しなかった!かもしれません(笑)


ドラマの背景にある大きな問題。それは、幕府が表現者を弾圧していたということです。庶民が楽しんでいる浮世絵などが、世を乱す根源だというわけです。


それでも書き続けるしかない北斎。下手にふるまえない理不尽な世に、武士が刀なら絵師は筆を刀としてあらがったのかもしれません。


本作を鑑賞して、北斎さんの原画を鑑賞してみたくなりました。作品の多くは海外に流出しているようですが、日本では千葉市美術館や東京国立博物館に所蔵されてるようです。


監督:橋本 一

脚本:河原れん


キャスト

柳楽優弥、田中 泯、玉木 宏、瀧本美織、津田寛治、青木崇高、辻本祐樹、浦上晟周、芋生 悠、河原れん、城 桧吏、永山瑛太、阿部寛ほか


2021年公開 日本映画

上映時間:129分


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