「プロジェクトV」&「ジェントルメン」
新聞の切り抜き記事ファイルを眺めておりましたら、書籍CMの記事に目が留まりました(2018.12.19付)。書籍名は「絶望名言」で、文豪たちの「絶望に寄り添う言葉」から生きるヒントをさがすというキャッチコピーが添えられています。一部紹介されている文豪たちの名言が、コロナの世だけにしみてきます。
カフカ
「不安とぼくは互いにしがみついて、夜通し転げ回っているのです。」
ドストエフスキー
「人生には悩みごとや苦しみごとは山ほどあるけれど、その報いというものははなはだすくない。」
ゲーテ
「ベッドの上で泣きあかしたことのない者には、人生の本当の安らぎはわからない。」
太宰治
「弱虫は、幸福をさえおそれるものです。」
芥川龍之介
「どうせ生きているからには、苦しいのはあたり前だと思え。」
シェークスピア
「不幸は、ひとりではやってこない。群れをなしてやってくる。」
アクションスター ジャッキー・チェンさんも御年67歳。ゴジラと同じ1954年生まれです。年齢を知って、その活躍を見る限り、このかたは五十肩とは無縁のスターであると実感いたしました(笑)
ジャッキー・チェンさんの役どころは、民間の警護チーム ”ヴァンガード” のチーフ。陣頭指揮を執るだけではなく、自らも現場に赴きミッションを遂行します。
とある実業家が、武装組織 ”北極狼” に襲われ、近くにいた非番のチームが出動! 手段を択ばぬ ”北極狼” は実業家の娘もターゲットに。アクション満載の銃撃戦、007の秘密兵器を彷彿させる水上戦、チーム総出で敵地に踏み込むハイテクゲリラ戦と世界を股にかけての大サービス!現在は、香港映画ではなく中国映画であることは印象的です。
緊張感とお笑いのバランスも考えられていて、まんがのような有り得ないカーアクションに拍手!
エンドロールに映し出されるNGシーンは、ジャッキー・チェンさんも出演した「キャノンボール(1980年)」のエンディングをリスペクトしての採用ではないかと感じます。その根拠は、「サンダーアーム/龍兄虎弟(1986年)」でもやはりNGシーンが、挟まれていてこの時は大けがをして救急車で運ばれるシーンも入っています。
監督・脚本:スタンリー・トン
キャスト
ジャッキー・チェン、ヤン・ヤン、アレン、ムチミヤ、シュ・ルオハン、ジュー・ジャンティン、ジャクソン・ルーほか
2020年中国映画
上映時間:107分
キャッチコピーは伊達じゃない!一流の紳士(ワル)たちのスタイリッシュでカッコイイこと。中でもレイを演じたチャーリー・ハナムさんはピカイチ!紳士だから怒鳴り散らして相手を威圧するなんてしません。相手を黙らせるその話術、スキルにもご注目。
「プロジェクトV」もそうであったように、やはりお金が絡むとこわい世界のお話。
私立探偵 フレッチャーが、大ボス ミッキー(アメリカ人)の片腕レイ宅に忍び込み、調査資料(証拠)を命の担保として情報の押売りにやって来ます。フレッチャーは、ミッキーに関わりのある紳士(ワル)たちの悪行をレイにリークし、悪行が暴かれてゆく様を回想してゆくストーリー展開です。
騙しあいバトルなので、これから鑑賞を予定されている方は、まず写真の紳士(ワル)たちの顔と名前を覚えておくことをお勧めします。曲者たちを頭の中で整理しておけば、よりストーリーに集中できます。
ロンドンで大麻を栽培し、財を成したマリファナ王 ミッキーが、事業を売却することで始まるクライム・サスペンス。その利権にありつこうと表裏世界に君臨する魑魅魍魎たちが、あの手この手を仕掛けてきます。
フレッチャーのリークも一部憶測とレイに指摘されたりと信憑性に疑問を持たせているところがミソ。事実なのか憶測なのか?回想シーンのトラップに引っかからず鑑賞出来たらカイカンだと思います。たぶん一度では、無理です(笑)
大麻を栽培するといっても大っぴらに出来ないことは百も承知と思いますが、そこはマリファナ王のやること、頭が切れます。その秘密が漏れたとき、猜疑心、裏切りを誘発させ血生臭いゲームに突入して行きます。
一流スターたちの紳士(ワル)のなりきり度に魅了される作品です。
監督・脚本:ガイ・リッチー
キャスト
マシュー・マコノヒー、チャーリー・ハナム、ヘンリー・ゴールディング、ミシェル・ドッカリー、ジェレミー・ストロング、エディ・マーサンほか
2020年イギリス・アメリカ合作映画
上映時間:113分