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「ドライブ・マイ・カー」

大会6日目のパラリンピック。いろいろな競技が開催される中でおったまげたのが「車いすラグビー」です。想像を超えた肉弾戦、車いすどうしの激しいぶつかり合いに目がテン! 激突を想定して改造された車いすはもはや戦車です(笑)


ドライブ・マイ・カー.jpg

第74回カンヌ国際映画祭脚本賞受賞のロードムービー。妻の突然の不幸に対する無念を抱える俳優と悔恨の過去を引きずるドライバーが故郷へのドライブを通じ心通わせる感動作。


舞台のセリフを愛車のSAAB(サーブ)で再生し、自身も発声しながらチェックを繰り返す俳優 家福(西島秀俊)。セリフを朗読するのは家福の妻 音(霧島れいか)。ある朝、音は家福に話したいことがあると言い残してその日の夜に急逝してしまう。2年後広島での演劇祭準備、開催のため愛車で駆け付け、しばらくの間滞在することになるが、期間中規則により専属のドライバー みさき(三浦透子)が付くことに。思い入れのある愛車の運転を誰にも任せたくない家福だったが、彼女のドライビングは家福から信頼を得る。


村上春樹さんの原作小説にリスペクトと愛を感じさせる脚本が評価されたのでしょうか?家福自身のドラマという本線と俳優であり演出家としての才能も表現された舞台劇のドラマという側道が重なったとき、俳優とドライバーは最終目的地を目指します。


179分という長尺作品なのは、重要となる舞台劇が家福のすべてであることから端折るわけにはいかない理由があったのだと思います。本線である妻との関係も仕事上片目をつぶっていた家福は、のちのち後悔してしまうわけです。その心の機微を咀嚼しながら味わえるストーリーです。


舞台劇は日本語と外国語がミックスされたセリフで演じられるハイレベルな作品で時間も多く割かれていますが、それだけだと分からない人からすれば置いてけぼりです。そこを単調と感じさせない全体の演出は絶妙です。


ドライバーを演じた三浦さんは、セリフこそ少ないもののその存在感は西島さんに引けを取りません。おなじ心の痛みを抱えている者同士、そこには目に見えないダークマター(銀河をつなぎとめていると考えられている物質)の力がはたらいているのではないかとすら思ってしまいます(笑)


監督:濱口竜介

原作:村上春樹


キャスト

西島秀俊、三浦透子、霧島れいか、パク・ユリム、ジン・デヨン、ソニア・ユアン、ペリー・ディゾン、アン・フィテ、安部聡子、岡田将生ほか


2021.8.20公開 日本映画

上映時間:179分


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