「ミナリ」&「トムとジェリー(日本語吹き替え版)」
19日(金)に放送された第44回日本アカデミー賞授賞式では、「ミッドナイトスワン」が作品賞に輝きました。どの作品が受賞してもおかしくない秀作が名を連ねる中での頂点、おめでとうございます。そして4月26日(月)に控えている第93回アカデミー賞の結果発表。こちらも目が離せません。
第93回アカデミー賞作品賞ノミネート作品。「ノマドランド」と並び、有力視されています(現在公開中)。アメリカに移住した韓国人一家のドラマですが、本作はれっきとしたアメリカ映画です。
アメリカの片田舎に越してきた韓国人一家4人。冒頭から旦那についてきた奥さんは、ご機嫌斜め。吉幾三さんの「おら、東京さ行ぐだ」の歌詞の一節のように楽しい娯楽もなければ、病院も遠い。この地での生活の不安も然ることながら相談もなく独断で旦那が決めたことが一番の要因です。
旦那には夢があり、広大な土地で農業を成功させること。しかし、経済的に余裕はなく、日々の生活で何度も衝突する二人。共稼ぎでようやく成り立っている家計なので息子、娘の世話役としてある日おばあちゃん(奥さんの母親)がやってくる。
作品を一言で表すなら一家の日常が描かれたドラマ。”噛めば噛むほど味が出る”的な印象ですが、そこはノミネート作品、平坦では終わりません。タイトルの「ミナリ」とは韓国語で芹(せり)のことですが、このワードが作品とどう結びついて来るのかもご注目(笑)
監督・脚本:リー・アイザック・チョン
キャスト
スティーヴン・ユアン、ハン・イェリ、アラン・キム、ネイル・ケイト・チョー、ユン・ヨジョン、ウィル・パットンほか
2021年3月日本公開、アメリカ映画
上映時間:116分
「ああ、なつかしやトムとジェリー!」今ならYouTubeで観られますが、昔は、日本のテレビでも放送されていた人気アニメ。「ミナリ」の夫婦もよくケンカしていたけれど、こちらはケンカが商売?のふたり…二匹(笑) 80年という長い歴史をもつ2大スターが、リアル世界で大暴れするアニメと実写のハイブリッド作品。
ニューヨークの一流ホテルで臨時スタッフの仕事を根拠のない自信と度胸でつかんだケイラ(クロエ・グレース・モレッツ)は、今まさにセレブの結婚式という一大セレモニー準備の真っ最中。そのホテルを根城に構えたジェリーを追ってトムがやって来た!ケイラとトムは、手を組んで結婚式の成功と一流ホテルの名を汚さぬよう、ねずみ駆除作戦がはじまる。
”ケンカ”というコミニュケーションを長い間続けてきたトムとジェリーが、アニメのまま登場というリスペクトと愛に包まれたコメディ。リアルとアニメの映像の境界がシームレス、これぞ融合の極み!華やいだ夢の世界と現実の饗宴!
実写とアニメのハイブリッド作品は、日本にもあって印象に残っているのが、手塚治虫さん原作のTVドラマ「バンパイヤ(YouTube で観られます)」です。相棒シリーズの水谷豊さんが、主人公を演じていて月の光をみるとオオカミに変身します。そのオオカミがアニメでした。
監督:ティム・ストーリー
脚本:ケビン・コステロ
キャスト
クロエ・グレース・モレッツ、マイケル・ペーニャ、コリン・ジョスト、ロブ・ディレイニー、パラビ・シャーダ、ジョーダン・ボルジャー、パッツィー・フェラン、ニッキー・ジャム、ボビー・カナベイルほか
2021年3月日本公開
上映時間:101分