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「シェフ 三ツ星フードトラック始めました(字幕スーパー版)」&「振り子」

今回は、和洋二作品の感想です。

シェフ ムビチケ.jpg

最初の一本は、洋画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました(字幕スーパー版)」です。この作品は、高級レストラン「ゴロワーズ」の厨房を任された総料理長カール・キャスパーが店のオーナーとのいさかいにより解雇され、独立。心機一転、フードトラック(移動屋台)で商売を始めるロードムービーです。

仕事一筋だった彼は職を失い、現実の厳しさを突きつけられ路頭に迷います。そんな折、前妻の口利きでフードトラックのオーナーとして新たなスタート地点に立つことになった彼のもとへ前職場で働いていたマーティンが彼を慕い助っ人としてやって来ます。また、仕事優先で親子の約束も見送りがちであったことから夏休み限定で息子も一緒にスタッフとして同行することに。強力な助っ人と息子の意外な才能のお蔭でカールの夢がここに開花!

ドラマは過去でも未来でもない現在が描かれていますが、注目したのはそもそもオーナーとのいさかいの原因となった有名フードブロガーとの関係です。カールはブロガーの来店を知り、これまでのメニューを刷新し、あっと言わせてやろうと躍起になっていました。ところが、店の方針を変えないオーナーとの擦れ違いからその思いは叶わず従来のメニューを出すことに。後のブロガーの記事に腹を立てたカールは、ブロガーに対し、怒りを露わにしますがその姿がYou Tobeに流れてしまいます。ブログやツイッター、You Tube といった技術がカールの人生を大きく左右する様子やブロガーとの顛末は、とても興味深く映りました。

本作でのシェフとブロガーの一件はブログを趣味とする端くれとして考えさせられました。趣味とは言え、このブログが、仮に誰かの迷惑になっていないだろうか?時として考えることがあるからです。語彙や表現の仕方、説明不足による誤解など反省することしきりですし、予備知識なしで鑑賞した作品の記事なんて読み返したら脂汗が出てきます(笑) ドラマは結果よければすべて良しと簡単に片付けてしまえばそれまでですが、フードブロガーの真意と器の大きさが爽快感を与えてくれました。

シェフ .jpg

監督・脚本:ジョン・ファブロー

キャスト
カール・キャスパー(ジョン・ファブロー)、イネズ(ソフィア・ベルガラ)、マーティン(ジョン・レグイザモ)、モリー(スカーレット・ヨハンソン)、リーヴァ(ダスティン・ホフマン)他

2014年アメリカ映画
上映時間:1時間55分

振り子ムビチケ.jpg

続いて邦画「振り子」です。原作は鉄拳のパラパラマンガで、それをモチーフに肉付けされた感動作です。主人公の夫婦 長谷川 大介とサキ、二人の出会いとこれまでの人生が時を刻む振り子に見立てられ、走馬灯のように映し出されます。走馬灯とは言ってもその人生は激流でたたみかけるように悲劇が襲います。唯一救われるのは、エンディングです。このエンディングでなかったら言葉も出ないくらい悲しいお話でした。

ヤンチャを絵に描いたような大介と打算の無い無垢なサキとの出会いは、ピュアそのもので夢を持つ大介がサキにとっては憧れでした。二人は親の反対を押し切り結婚すると子供も授かり、夢だったバイク屋を開業します。決して裕福ではありませんが、これまで順風満帆でこれたことに感謝しつつ、幸せな日々を過ごしていた家族のこれからという時に突然襲うある事件。この事件以来、大介の心は荒れまくり。サキは健気に、そして必死に支えようと努力しますが・・・。

よくもまあ、これだけ現実的な悲劇を畳み掛けてくれたものだと感心してしまいます。それだけにサキの健気さが痛いくらいに伝わってきます。大介の気持ちも解らないではありませんが、娘がグレないでいてくれたこと、こちらの方がある見方からすればすごいことですし、救われます。脳卒中で倒れ、植物人間状態になってしまったサキの目から流れた一筋の涙は、鑑賞者にその何倍もの涙を誘ったことと思います。

重要なシーンとして登場する家族の思い出に1985年に開催された筑波科学博がありますが、これは私にとっても思い出のあるシーンでした。バイクの免許を取得して間もないころ、友人から購入したホンダのCB250を転がして出掛けた万博でしたから。現在はハイビジョンとして普及しているTVの走りとして、当時はアナログ型の " 高品位テレビ " という名称でNHKが出展していたことを思い出します。また、当時の記念モニュメントが筑波山の登山口付近に置かれていたことも思い出しましたが現在もあるかどうかは解りません。80年代は、筑波科学博の他に87年に東京・晴美国際見本市会場で開催された " 夢工場87 " や89年には名古屋で開催された " 世界デザイン博覧会 " と博覧会ブームに湧いていました。私は物好きですから両方足を運びました(笑)

2015年日本映画
上映時間:1時間50分

監督・脚本:竹永 典弘
原作:鉄拳「振り子」

キャスト
長谷川 大介(中村 獅童)、長谷川 サキ(小西 真奈美)、学生時代の大介(石田 卓也)、学生時代のサキ(清水 富美加)、長谷川 心晴(松井 珠理奈)他

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今回は和洋折衷での作品感想でしたが、これから上映が予定されている洋画と邦画で面白いことが起きています。5月9日ロードショーの邦画「脳内ポイズンベリー」と7月18日ロードショーの洋画「インサイドヘッド」はどちらも頭の中にある感情がモチーフになっています。「脳内ポイズンベリー」は五つの思考 " ポジティブ " " ネガティブ " " 理性 " " 衝動 " " 記憶 " が主役で櫻井 いちこの頭の中で会議する模様が描かれるコメディです。一方「インサイドヘッド」はディズニー/ピクサーが贈るフルCG作品でこちらは " 喜び " " 恐れ " " 怒り " " 嫌悪 " " 悲しみ " といった感情が主役の物語です。どちらも頭の中の感情にスポットが当てられた作品で、同じ年の上映は極めて珍しい現象です。

脳内ポイズンベリー.jpg

インサイドヘッド.jpg


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