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私の男

これまで予告をして映画記事を書いたのは、今回が初めてだと思います。とにもかくにも有言実行ということで予告通り6月最後の鑑賞記事をここに記します。

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ニッポン放送のニュースでも紹介されていました第36回モスクワ映画祭授賞式でグランプリを受賞(おめでとうございます!)した作品「私の男」の感想です。お金も時間も制約のある一介のサラリーマンが全ての作品を鑑賞することは、まず不可能です。取分け私のように趣味が多くて、自治会役員やって、ブログを書いていれば尚のことでありまして、どの作品を鑑賞するかは毎度悩みの種です(真剣に悩んだことはありませんが・・・)。そのような日常の中で今回のようなニュースは私にとっては、鑑賞の動機となる貴重な情報でした。

この作品も直木賞受賞作の同名映画化作品なのだそうですが、近年映画を観賞していて「直木賞」はよく耳にしますが「芥川賞」の映画化作品というのは聴いたことがありません。私が忘れているか、知らないだけなのかもしれませんがその線引きは、何なのか気になるところです。考えられるのは直木賞が映画に向いているからなのだろうと単純に思う訳ですが、鑑賞した「私の男」は男と女の関係、そして人生についてを世に問う問題作でした。

北海道奥尻島で起きた震災に因り、孤児になってしまった少女(花)を養女として引き取った家庭をしらない男(淳悟)の物語です。男は単に家庭を持ちたい、その一心だったはずですが時が経過し、花が中学生になったころ二人の間には男と女の関係が芽生えていました。俗に言う禁断の愛というやつですが、私がこの作品を観て思い出したのは昔観たTVドラマ「高校教師」です。こちらは教員(真田 広之)と生徒(桜井 幸子)の禁断の愛が描かれていましたが衝撃的なラストは二人が眠っているだけなのか、それとも無理心中をはかったのかは御想像にお任せしますみたいな結末でしたが桜井 幸子然り、共演していた持田 真樹は今何をしているのでしょうか?切ないテーマ曲であった森田 童子の「ぼくたちの失敗」も耳について離れませんね。男と女の愛のかたち、これほど謎に満ちた興味深いテーマは、鑑賞者の心を揺さぶるに十分な要素が詰まっています。

禁断であるからこそやらかしてしまう失敗。それも取り返しのつかない失敗を二人は犯してしまう訳ですが、この結末には触れていません。中学生から高校生へ、そして社会人に成長した花は、淳悟にフィアンセを紹介します。淳後は、この現実を受け入れ難くフィアンセに向かって「おまえには無理だ!」と嘯き、一方花はフィアンセに対し「あの頃は子どもだった」と振り返るんです。男の立場からすれば、かなりきつい台詞ですが淳後はそれを知りません。それを淳悟が聴いたらやばいことになりますよ、間違いなく。

モスクワ映画祭で主演男優賞を受賞した浅野 忠信も納得の演技でしたが、中学生から社会人までの花を演じた二階堂 ふみは浅野受賞のアシストプレイヤーだと思います。最新作「渇き。」では脇役で出演していた彼女でしたがこの作品で見方が変わりました。すごいなこの女優さん!こんな実力を秘めていたとは・・・、御見それ致しました。彼女が注目されるきっかけとなった作品は「ヒミズ」と聴きましたがまだ「ヒミズ」を鑑賞していません。いつ鑑賞出来るのか解りませんが、こちらもツタヤでピックアップしたい作品の一本に加わりました。

作品自体は鬱屈した感情と物悲しさが残り、お世辞にも清々しいとは言い難いのですが、野次馬目線で見ればこの作品、感情を刺激してくれて面白いですね~。SF超大作はアメリカに叶いませんが、この手の作品なら日本は世界レベルであることを世界4大映画祭のひとつであるモスクワで証明しました。

監督:熊切 和嘉
脚本:宇治田 隆史

原作:「私の男」桜庭 一樹

キャスト
腐野 淳悟(浅野 忠信)、腐野 花(二階堂 ふみ)、尾崎 美郎(高良 健吾)、田岡(モロ 師岡)、大塩 小町(河井 青葉)、大塩(藤 竜也)他

2014年日本映画
上映時間:2時間9分

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先日近所のコンビニで雑誌を物色していましたらSPA!の見出しに目がとまり、認知症についての記事だけ時間を掛けて読みました。認知症になりやすいのは、自分の感情を表に出せない公務員や以外にも教師に多いと書かれていました。逆に認知症になりにくい人は運動をして、ブログを書き、映画を観る人だそうです。ブログを書くことで常にアンテナを張って、映画を観ることで感情を刺激してくれるのが良いとされていますが、この記事を読んでも安心感はありませんでした。その訳は最近人の名前が出てこないんです。先日職場の同僚とドラえもんの話をしていたらしずかちゃんの名前が出てこなくて、何だっけ「さやか?」違う、「みのり?」でもない、「ともえ?」、「みどり?」と出て来たのはニッポン放送の女子アナだけでした。もういいや!話はそこで終わってしまったんです。老後の不安は尽きません。


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k_iga

芥川賞受賞作の映画化。
古くは「エーゲ海に捧ぐ」「蛍川」など。
「ゲルマニウムの夜」「蛇にピアス」「苦役列車」「共喰い」は観ました。

芥川賞・直木賞、両受賞作は結構、読んでます。
by k_iga (2014-07-01 05:51) 

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