渇き。
本日の朝日新聞朝刊に熊切 和嘉(くまきり かずよし)監督の「私の男」がモスクワ映画祭で最優秀作品賞(グランプリ)と最優秀男優賞(浅野 忠信)をダブル受賞したとの記事がありました。この作品は鑑賞予定には入っていなかったのですが、急遽予定を変更し、鑑賞して参りましたので明日記事をアップしようと思います。
中島 哲也監督作品「渇き。」の感想です。中島監督の作品は「下妻物語」以来「嫌われ松子の一生」、「パコと魔法の絵本」、「告白」と鑑賞して参りまして、本作も中島作品と知って慌ててムビチケを購入しました。本や音楽(楽曲)と同様映画も作る人の作風(個性)というものがあります。私が中島監督を注目しているのはCMを手掛けた監督であり、その手法と映画が融合した独特の世界観に惹かれるからです。
本作も中島監督らしさが炸裂したドラマですがこれまでの中島作品にはないハイテンションなヴァイオレンス仕様で、目を覆いたくなるシーンもあったりしますから、教育に目を光らせる団体からすればイエローカードかも知れません。飛び道具で人がやたら殺害されるシーンもこの世界は日本なのかと疑ってしまいますが、武装している人たちをもかき回す主人公加奈子(小松 菜奈)の悪魔ぶりが、表現された代表例ではないかと思います。
家庭崩壊して捨て鉢になった元刑事のロクデナシおやじ(藤島)ですが、なぜ家庭崩壊したのかなど語る必要の無い傍若無人ぶりを役所 広司が熱演しています(あそこまで演じられると「加奈子は俺の娘だ!」と言われても「ほんとかよ?」と半信半疑になってしまいます)。しかもこのおやじ、傍若無人なだけでなくターミネーターのようにしぶとく、しかも不死身です。あれだけのダメージを負いながらも、元刑事の鼻を活かした執念ともとれる捜査で失踪した加奈子を探し続けるんです。口も態度も悪いけど、実は娘の加奈子を本気で心配していたんだなぁ~と思い始めた後半、このロクデナシおやじも加奈子に魔法を掛けられていたと知って、びっくり仰天です。このおやじをつき動かす愛はリビドー的なものではなかったのか?そう考えるとおやじの執念に対するつじつまが合うんです。
男を翻弄し、意のままに操る加奈子は小悪魔ではなく加奈子を知る者の間では悪魔と称されます。このキャラを演じさせるキャストに中島監督は俳優ではなくモデルの小松 菜奈を抜擢しましたが、これはズバリでしたし、また小松 菜奈もその期待に十分応えたのではないでしょうか?彼女がモデルから女優に転身するか否かは不明ですが、現在の演技は監督の手腕に因るところが大きいと思いますので、転身するならばがんばってもらいたいですね。
監督:中島 哲也
脚本:中島 哲也、門間 亘裕、唯野 未歩子
原作「果てしなき渇き」:深町 秋生
キャスト
藤島 昭和(役所 広司)、加奈子(小松 菜奈)、ボク(清水 尋也)、浅井(妻夫木 聡)、遠藤 那美(二階堂 ふみ)、森下(橋本 愛)、辻村医師(國村 隼)、桐子(黒沢 あすか)他
2014年日本映画
上映時間:1時間58分
今回は鹿児島観光の最後の目的地「桜島」です。1日の過密スケジュールでお天気は不機嫌でしたが私は上機嫌でした。桜島と言えば現在も活動している活火山なのですが、考えてみたら火山もひっくるめて桜島と呼んでいましたので肝心な山の名称は何て言うのか気になりました。ネットで調べてみましたら「御岳」と言うちゃんとした名称がありすっきりしました。桜島は以前その名の通り島だったそうなのですが大正時代の大噴火で流れ出た溶岩により大隅半島と陸続きになったのだとか。行きはカーフェリーで上陸し、周囲をタクシーで回ったのですが結構広いんですね。どうでもいい話なんですけど私が桜島と聴いて思い出すのは「ゲゲゲの鬼太郎(TVアニメ)」に登場した「ダイダラボッチ」という妖怪が桜島をたばこ代わりにふかしていたことなんです。ダイダラボッチってどんだけでかいんだ!
乗船したカーフェリーの名称です。
下の写真は乗船した船舶と同型船です。
鹿児島本港を後にして出港です。
船から望む桜島です。
いよいよ桜島港です。
有村展望台から望む桜島です。この日の桜島はおとなしかったです。
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