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「水上のフライト」

最近SNSで流れてきた「ナショナルジオグラフィック日本版」発信の興味深い記事をご紹介します。それは、「ホラー映画好きはコロナ禍に強かった」というタイトルで「恐怖やストレスへの対処にホラー映画を活かす研究が続けられている」というものです。


”ホラー映画は心のワクチン?恐怖やストレスに強くなる可能性を秘めている”


記事を抜粋:

デンマークのオーフス大学の文学およびメディア学准教授で、「娯楽的な恐怖の研究所」の所長であるマティアス・クラセン氏は、ホラー映画を見るといった管理された恐怖体験は「微調整が可能な対処法という意味で、好ましい効果があると思われます」と語る。クラセン氏らは、300人以上を調べた結果、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)に、ホラー映画ファンの方がそうでない人よりも精神的にうまく対処出来ているという論文を9月15日付けの学術誌「Personality and Individual Differences」に発表している。


「ホラー映画を見ることで、自分自身が恐怖にどう反応するかを知り、感情の調整の仕方を学んでいるようです」と、クラセン氏は言う。だからといって、これからはカウンセラーのオフィスで最新のホラー映画が見られるようになるというわけではなく、人は恐れにどう対処するのか、そしてなぜ一部の人は恐れの感情を引き起こす娯楽に惹かれるのかを研究すれば、トラウマを乗り越える新たな方法が見つかるかもしれない。と締めくくられています。


この記事を読んで、私自身はこれまでホラー映画を鑑賞して「感情の調整の仕方を学ぶ」という認識はありませんでした。しかし、ホラー映画を何本も見ているうちに段々怖さに慣れてしまい、ちょっとやそっとでは驚かなくなってしまったという自覚はあります。これが、免疫(ワクチン)というものなのでしょう(笑) ホラー映画で心を鍛える!そう考えるとホラー映画の苦手な人も鑑賞する勇気が湧いてくるかもしれませんね。


世の中には、ユニークな研究を真面目に取り組まれている方がいらっしゃいますが、こういうの好きです(笑)


水上のフライト.jpg


本作は、言わずもがなホラー映画ではありません、感動作です。心のお掃除(笑) コロナ禍がなければ東京オリンピック前に上映されて、パラリンピックに注目を集めたかもしれない本作。自身の思い描いていた希望を交通事故で失い、絶望の淵にいる走り高跳びのエース選手が、カヌーと出会い新たな希望を目指します。


夢と希望を交通事故で失うというのは、やるだけやって挫折するのと違い、かなり厳しいです。世界を目指すという将来を嘱望されていた大学生の遥(中条あやみ)は、突然歩けなくなり、一変してしまった人生から自暴自棄に陥っていました。


そんな彼女の前に他界した父親の友人で幼少のころカヌーを教えてくれた宮本(小澤 征悦)が家を訪れます。気分転換にと宮本が教えているカヌー教室に誘われ、昔を思い出すかのようにカヌーに乗る遥。


遥が屈託のない教室の生徒たちとこなれてきたころ、宮本が「パラカヌー」選手を目指さないかとの持ちかけにぶち切れます。


自分の努力でエースの座を築き上げ、走り高跳びで世界を目指す遥と交通事故のハンデから周囲の人々に支えられパラカヌー選手を目指す遥の対比。体の自由は奪われたけど、プライドに加え心が豊かになってゆく遥の変化が眩しいです。


中条あやみさんは、現在土曜夜11:30からNHKで放送のドラマ「閻魔堂沙羅の推理奇譚」に閻魔大王の娘 沙羅役で活躍中です。死者を天国へ送るか、地獄へ送るかの判定を、死者の記憶から推理するドラマです。


監督・脚本:兼重 淳


キャスト

中条あやみ、杉野 遥亮、大塚 寧々、小澤 征悦、高月 彩良、冨手 麻妙、高村 佳偉人、平澤 宏々路ほか


2020年日本映画

上映時間:106分


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tommy88

『独学大全』を読んでいると、私を拾ってくれた絶対恩師を思い出します。放校処分に遭い、大阪を脱出し放浪の後、新宿でちんぴらみたいに生きてた私を拾ってくれた大恩人で、定時制高校でやり直したのですが、学校が終わって毎日、食事に付き合えと、定食屋でご馳走になりました。そのあとも、喫茶店で毎晩話し込むのですが、だいたいお別れするのが午前4時頃でした。そんな生活が2年ほど続きましたが、毎晩おごってもらって考えてみれば大金です。愛してくれていたのでしょうが、勧められて行った大学の講義内容以上の、とんでもない深掘りと知識を与えてもらっていました。『独学大全』にも出てきた川喜多二郎は絶対恩師と一緒に議論し、川喜多氏のKJ法は真似ていたし、「B6カード」もお世話になっていました。件の書、立ち読みはキツイので購入し、手元に置いています。「独学」ってフレーズに年甲斐もなくワクワクするのです。
『ウィスキーと二人の花嫁』、楽しく見ました。娘を持つ父親の悲哀は哀しく、されど、ユーモアとウイスキーが彼らを支えている楽しいお話でした。事実をもとにしているところが興味深いです。前述の如く、学歴コンプレックスを植え付けられてしまう彷徨いをしていましたから、三姉妹への教育はこだわっていました。女の子だから英語と水泳が出来ればいいと、英水教育を施しましたが、長女博士はドイツの大学で授業を持つ傍ら研究を突透け、一番下の三女は現在、筑波大学の大学院で博士課程2年目です。残念かどうかは分かりませんが、彼女たちは勉学とまだまだ青春を楽しんでおりますが、長女に言わせると、女を捨てなきゃ学者にはなれないそうです。パパは別に、妻をゲットしただけで人生は成功したし、娘たちが納得の行く生き方をして、幸せであればそれでいいし、時々、パパと遊んでくれたらそれでいいかなって。未だに「彼氏」の影すら三姉妹、一つも見せずに生活しています。私は古い価値観を押し付けないと決めていますし、それは自分が親にされていちばん嫌だったことだから。子どもたちは私のように屈折はしていないので、まあ、楽しくやってくれるでしょう。小さい声で言えば、良い人いないかなぁ。

by tommy88 (2020-11-21 16:51) 

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