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「シークレット・スーパースター」

4月は、自炊作戦(非常事態宣言が延長されたら、作戦も延長)を実行しました。ビックリしたのが、冷食のチャーハンがお店と変わらない美味しさだったことです。ギョーザなんて水も油もなしで羽根つきが出来上がり、きざみネギなんてのもあって、みそ汁に足すだけでリッチな気分に。冷食が進化していることは、知っていましたけど実際に作って食べてみて感動!(何をいまさらでしょうけど:笑)


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4月のトリは再びインド映画「シークレット・スーパースター」です。歌手を夢見る中学生インシアが母親と同級生チンタンの協力を得ながら夢をめざす物語。家族の理解、協力さえあれば夢に突き進むことが出来るのに、彼女の厳格な父親がそれを許さない(厳格なのは譲るとして、いただけないのは気分屋でDVおやじ)。


母親が父の機嫌を損ねたことで約束の音楽コンクール出演は水の泡。罪滅ぼしにとプレゼントしてくれたパソコンでインシアは、YouTubeで発信することを母親に提案します。ところがその映像を父親が見て、もしバレたらという問題が!そこで母親が考えたのがブルガ(目出しの黒装束衣装)を着て歌うこと。顔出ししないことに抵抗のあったインシアでしたが、「シークレット・スーパースター」の名前で映像をアップしてから数日、瞬く間に反響を呼びメディアで話題に!


ところがある日、親類の結婚式出席準備で、母親が父親に無断でネックレスを売り、パソコンを購入したことが発覚してしまいます。


タイトルからイメージしたのはサクセスストーリーでしたが、そんな単純なものではなく、作品は家庭内暴力に苦悩する家族の映画という印象です。父親が帰宅してガラリと変わる家の雰囲気。つきたくもない嘘をつかなければならない夫婦関係って、これはもう家族の破綻でいたたまれない気持ちになりました。


日本でもコロナ離婚なんてニュースを耳にしますが、この作品を反面教師に家族について考え直すきっかけにしてみてはいかがでしょうか?


監督:アドヴェイド・チャンダン
脚本:アドヴェイド・チャンダン、リファト・カンダカル


キャスト
ザイラー・ワシーム、メヘル・ヴィジュ、ラージ・アルジュン、アーミル・カーンほか


2017年インド映画
上映時間:150分

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「工作-黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男」

連日コロナのニュースから目が離せない中で、ポツリと流れる北朝鮮 金正恩委員長重体説のニュース。トランプ大統領の声明も「概ね承知はしているが、今は言えない」。「遠くない将来に君たちも知ることになるだろう」って何かを含んだ物言いです。政権交代?なんか気になります。


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ということで、北朝鮮潜入に成功した韓国の工作員が主人公の映画「工作~黒金星(ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男」を鑑賞してみました。


第二次世界大戦後南北に分断統治された朝鮮半島。現在も水面下で続いていると思われる南北スパイ合戦の1990年代を舞台に当時の北朝鮮核開発の実態を探るべく北潜入を命じられた韓国工作員(コードネーム:黒金星)の活動が描かれたサスペンスです。


007シリーズのようなスタイリッシュさ、派手さがないからこそ伝わる生々しい駆け引き、探り合い!瀬戸際外交と呼ばれる北朝鮮の実情やミサイル発射実験の意味、韓国大統領選挙と北朝鮮の関係等々国家間の思惑に翻弄される工作員の苦悩。所詮、工作員は、国家の捨て石なのか?韓国の日本バッシングが政治利用されている裏付けになるような作品で見ごたえありました。


国家と民族のために命をかけた韓国 工作員パク・ソギョン(ファン・ジョンミン)と北朝鮮 対外経済委員会所長 リ・ミョンウン(イ・ソンミン)の関係には、胸が熱くなりました。少なくとも二人のドラマが本作の屋台骨であり、2回鑑賞する動機になりました。


韓国の情報機関・国家安全企画部の室長チェ・ハクソン演じるチョ・ジヌンさんは、「新聞記者」に出演していた田中 哲司さんに相当する役柄なんですけど、お国は違えど同じ匂いを感じました(いい味出してます:笑)


監督・脚本:ユン・ジョンビン


キャスト
ファン・ジョンミン、イ・ソンミン、チョ・ジヌン、チュ・ジフン、キ・ジュボンほか


2019年韓国映画
上映時間:137分

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「パパとムスメの七日間」

16日に緊急事態宣言が全国に拡大して、地域の防災無線でも不要不急の外出自粛が幾度となく放送されています。食料品調達時の感染リスクは避けられませんが、どうにか今のところ無事にブログを更新することが出来ています。まだまだ出口が見えない状況ですが、コロナ禍の収束まで皆様もご無事でありますように


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「パパとムスメの七日間」。この作品は、個人的にはあまり馴染みのないベトナム発のコメディ作品ですが、エンディングのダンスパフォーマンスは受けた!ノッた!で娘役のケイティ・グエンさんに大喝采!(こんなの見たことな~い:笑) 今度は、劇場で観たいな~


感動もしましたし、笑わせてもらいました(免疫力が上がります)。原作は五十嵐 貴久さんの同名小説で以前 舘ひろしさんと新垣 結衣さん共演でドラマ化され、2017年にも韓国で映画化されたそうです。加えて監督が、落合 賢さんときたらこれはもう輸出作品とも受け取れます。


化粧品会社社員の父親と女子高生の娘の人格が入れ替わり、お互いが相談し合いながら仕事、勉強の日常の緊急事態を乗り越えようと努力します。父の体になった娘は、会社で昇格のチャンスを掴み、娘の体になった父親は、オーディションで形式にこだわらないオリジナルのクラシックバレーを披露し、大会出場のチャンスを掴みます。ところが、お互いの価値観の違いから良かれと思った行為はあらぬ方向へ…。


人格入れ替わり作品でパッと思い浮かぶのが、「転校生」と「秘密」です。原作は「転校生」に刺激されインスパイアーされた作品ということですが、さらにこの作品はアレンジが光っています。


日本でも一部の劇場でしか上映されていないようですが、鑑賞してみると非常に惜しい作品です。ただ、内容が内容なだけにベトナムではR18作品になってしまったとか(日本での上映はどうだったのでしょうか?)。


監督:落合 賢
脚本:マイケル・タイ
原作:五十嵐 貴久「パパとムスメの七日間」


キャスト
タイ・ホア、ケイティ・グエン、トラン・ヒー、ギア・グエン、バン・チャン、ホン・バン、フイ・カーン、タン・ロックほか


2018年ベトナム映画
上映時間:117分


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このエンドクレジットは「おお~っ!」ってなりました(笑)







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「フリーソロ」

今年休刊となってしまった映画ファンの雑誌「映画秘宝」が、早くも今月復刊するというニュースがSNSで配信されました。素直にうれしくて「おかえりなさい」と声を掛けたくなりました(笑)


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今回のおうち映画は「フリーソロ」です。この作品は第91回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞しています。ドキュメンタリー作品は、思い返すとあまり鑑賞していなかったので、その中でもアカデミー賞受賞作品に白羽の矢を立ててみました。


昨今登山ブームというニュースを聞いて久しく思いますが、登山とは似て非なる「ロッククライミング」や神奈川の丹沢で毎年開催の「ボッカ駅伝」(今年はコロナで中止)や「沢のぼり」等々聴いたりしたことがあると思います。本作はその中でも超キケンな「フリーソロ」の世界的クライマー アレックス・オノルドさんが前人未踏の岩峰エル・キャピタン(カリフォルニア州ヨセミテ国立公園)の登攀に挑むドラマです。


何がキケンって、ロープやヘルメット等安全装備を一切使わずに素手で崖をよじ登るスポーツなので、ウルトラマンが命のスペアを用意してくれなければ(仮に用意してくれても)絶対にやりたくないと誰しもが思うほど、ドキュメンタリーだけにゾゾっとする映像です(笑)


撮影するスタッフだって、登攀中に予期せぬアクシデントに見舞われたら事故現場を撮影することになりますから、胃もヒリヒリです。カメラをどの位置にセッティングすれば登攀に支障を来さないかリサーチするなど、とってもナーバスです。気が気じゃないのは恋人のサンニさんです。結婚という未来を見据えたら喜んでいってらっしゃいとは言えません。そんな葛藤もシリアスに描かれています。


この作品は、i-MAXで鑑賞したかったです(これぞi-MAX映画ではないかと思います)。世界中の名峰にチャレンジされたイモトさんは、ご覧になられたでしょうか?恐い経験をされているようですからイモトさんには刺さると思います(笑)お薦めの一本です。


2018年アメリカ映画
上映時間:100分


以下その映像をピックアップしてご紹介します。

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アレックス・オノルドさんの8年来の夢、エル・キャピタン(登攀前の気持ちが綴られています)


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登攀コースは白いラインで表示されていますが、ピッチと呼称される難所がいくつかあります。素人からすればすべてが難所です。「落ちた」のは、事前の下見(ロープあり)の時です。


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ピッチ6からピッチ19までの登攀コースです


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最初の難関ピッチ6 フリー・ブラスト・スラブを通過


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続く難関ピッチ14 ホロー・フレーク


ピッチ14 ホロー・フレイク_edited-1.jpg

いったん下ってから垂直に割れている断崖クレバスを登攀。大画面でみたら大迫力!


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ピッチ19 モンスター・オフウィズ(ここも尋常ではありません、確かめて下さい)


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モンスターを超えてピッチ23 ホルダー・ブロブレム(掴むところないやん!)


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いよいよ佳境!エンデュロ・コーナー


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(字幕の続き)最大の難所だ!


エンデュロコーナーだ_edited-1.jpg

これですよ!


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エンデュロ・コーナー(別の角度から)カメラマンも目をそらします!


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最大の難所に続く難所 ピッチ27 ザ・トラバース


フリーソロ ピッチ27-2_edited-1.jpg

もうムズムズしてきます(笑)


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恐怖は、どこへ?


フリーソロ ピッチ27-4_edited-1.jpg

アレックス・オノルドさんです。先が見えてきました


フリーソロ ファイナルピッチ_edited-1.jpg

そしてファイナル・ピッチへ


ここまでの紹介は、ネタバレだ!と思われるかも知れませんが、敢えて申し上げますとこの映像を大画面i-MAXで鑑賞した時の臨場感を想像していただきたかったのとi-MAXでの再上映を希望する思いがあることをお伝えしたいと思いました。動画から伝わる臨場感は、本当に怖いです!

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デジタル時代&「彼らが本気で編むときは、」

12日に放送されたNHKスペシャル シリーズ「DIDITALvsREAL」の第2回「さよならプライバシー」は、スマホから発信される個人情報でデジタル世界に存在するもう一人の自分(デジタルツイン)について、実際にデジタルツインを作成する実験が行われました。


あるXさんの9年分の検索履歴、位置情報、画像情報、この三つの情報容量は2.74GB。Xさんの承諾を得て、グーグルの検索履歴をダウンロードしてもらい、IT会社の協力のもとデジタルツインがどのようなものなのかが紹介されました。


これらの情報からXさんに会わずしてどこに住んでいるのか、年齢、職業、趣味までプライベートが丸裸にあぶりだされてしまいました。


このような時代にあって若者たちは、それも承知の上でプライベートよりも便利さを優先するとあっけらかんです。何でもそうですが、使い方を誤れば昨年あったリクナビ問題のような便利さとは裏腹の危うさもはらんでいると指摘します。


ブロガーさんが、ブログにアップしているスマホ写真には、当然位置情報も含まれていますので(位置情報をオフにしない限り)、自宅の写真などアップしようものなら専門家からすれば、この人がどこに住んでいるのかバレバレだということになります。中国だったら政府の批判など迂闊に書こうものなら、自宅に押し掛けてくるなんてことも無きにしも非ず。便利でありつつもこんな怖い社会であることも忘れてはいけませんね。


ちなみに私はIT専門家ではありませんのでご安心ください(笑)



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かく言う私もこの便利さを享受しているもののひとりです(笑)


「彼らが本気で編むときは、」は、AIが私の映画嗜好を学習して5段階評価で3.7を示した作品です。つまりAIがおすすめする私がかなり楽しめる作品ということになります。実際に鑑賞してみると…。



作品は、LGBTをテーマとした感動作で、トランスジェンダーのリンコという難しい女性役を生田 斗真さんが熱演しています。


心動かされる感動のシーンなどを分析してみますと、過去に高評価した作品に通ずるものが感じられました。

つまり感動するツボがしっかりと把握されていたという結果に至りました。


おすすめはどのジャンルを多く鑑賞し、高評価をしたかによって決められて行く過程が浮かび上がりますが、ジャンル指定でのお薦め作品は何か?ここには、まだ至っていないようでした。


AIマッチングの映画鑑賞もお楽しみのひとつとしていかがでしょうか(笑)

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緊急事態宣言&「パジュランギおじさんと小さな迷子」


4月に入り、とうとう安倍総理から緊急事態宣言(5月6日までの1ヶ月間)が、7都府県(東京、大坂、埼玉、神奈川、兵庫、千葉、福岡)に発出されました。映画がテーマの拙ブログですが、映画館の自粛に伴い当面の間、おうち映画を中心に続けて参ります。何事も未経験尽くしの一大事、沈着冷静に、協力できることは協力して、お互いに”コロナ危機”を乗り越えましょう



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夕暮れのさくら




今回は、インスタグラムで配信された女優の吉田 羊さんお薦めの映画です。お薦めの作品は「新聞記者(鑑賞済み)」、「パジュランギおじさんと小さな迷子」、「岬の兄妹」、「DAY AND NIGHT」。


「DAY AND NIGHT」はまだ未見ですが「パジュランギおじさんと小さな迷子」、「岬の兄妹」を鑑賞してみると、どちらも私のストライクゾーンでした。もちろん「新聞記者」だってお気に入りです。吉田 羊さん、お薦め作品のご紹介ありがとうございました(笑顔)


「岬の兄妹」は、考えさせられる問題作でしたので、時節柄感動した作品「パジュランギおじさんと小さな迷子」の紹介です。


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言葉を話せないパキスタン人の少女シャヒーダー(6歳)が、インドで迷子になってしまい、途方に暮れながらもお祭りで目立っていたパジュランギおじさんことパワンと出会い、宗教や国境を越えて故郷に帰る感動の物語。


ハヌマーンを信仰するパワンは、嘘がつけない実直な性格で、お世辞にも世渡り上手とは言えない人物。フィアンセの父親から期限付きで家を持たなければ結婚を許されない事情を抱える中でのシャヒーダーとの出会いに戸惑いを隠せません。シャヒーダーになつかれて、見捨てることの出来ないパワンは警察に相談するも相手にされず、大使館では反パキスタン暴動に巻き込まれる始末。困り果てたパワンは、知り合いの旅行代理店に相談し、シャヒーダーを預けることに。それでも心根の優しいパワンは、シャヒーダーを追いかけるとなんとこの代理店の男、シャヒーダーを売春宿に売り飛ばそうとしていたのだ。


パワンは、自分自身の手でシャヒーダーをパキスタンの家族のもとへ連れて行く決心をする。


仲の悪いインドとパキスタンの国境を越え(不法入国)、スパイと疑われ、逃亡のような旅を続けます。ブレない実直さを武器にシャヒーダーを送り届けるパワンの姿にハッとさせられ、涙が出ました。歌あり、踊りありのインド流もすっかり定着し、丁寧なストーリー進行のお陰でジワリと込み上げてきます。

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