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「ジョーカー」

10月です。7日の夜、プロ野球クライマックスシリーズ ファーストステージDeNA×阪神タイガースをラジオで聴いていました。「ああ~っ!(悲鳴)DeNAが~っ!…」。DeNAにとって今年の決戦中の雨は涙雨。そして一晩明けたら来期は、ラミレス監督の続投!筒香選手の大リーグチャレンジ!のニュース。そうですか~…。


ジョーカー.jpg


話題の作品「ジョーカー」を鑑賞しました。「スーサイド・スクワッド」、「ヴェノム」と続く、悪役にスポットが当てられた本作は、ベネチア国際映画祭で最高賞受賞といいますからまず、ビックリしました。ジョーカーは、バットマンの宿敵でリメイクされたら必ずこの人が絡んでくるという”笑点”で例えたら”悪役の大喜利メンバー”です(「スーサイド・スクワッド」にも登場しています)。悪役の視点、立場で描かれたこの”悪主(悪役主演)作”は、どちらの作品も面白いですし、興行的にも成功していると思います。日本でも”ショッカー”の視点で描かれた「仮面ライダー」なんて見てみたいです(笑)


ヒーローものは、本来勧善懲悪で白黒(善悪)の分かり易さがストーリーのセオリーでした。ところが近年、単に悪と切り捨てるのではなく、悪の立場、視点から描かれる作品が登場し始めました。近年とは言っても始まりは「ダンス・ウィズ・ウルブス」からだと思っているのですが、「ダンス・ウィズ・ウルブス」は西部劇で敵視されて来たネイティブインディアンの視点で描かれた大作でアカデミー賞も受賞しています。敵とは言っても同じ人間。同じ人間どうしがなぜ争うのか?敵(悪)に対して正義の側は、本当に正義なのか?を深堀りした点が評価されているのではないかと思います。


ジョーカーが、なぜ悪の権化にいたったのか?本作で描かれるプロセスは、とても考えさせられます。法律上で見れば、人を殺めたらアウト!しかし、その原因を辿ると観えてくる社会問題。法律はジャッジするためのものさしであって、それ以前に解決しなければならない社会問題があぶりだされています。お話の舞台は、ゴッサムシティですが、明日のジョーカーは貴方かも知れない?そんな警告を発し、悪に変貌して行くジョーカーが、現代社会の病巣を映す鏡のような存在として描かれているところに秀逸さを感じました。


ジョーカーに対する印象が変わる作品。でもこんなジョーカー見ちゃったら、憎めないでしょ?(笑)


監督:トッド・フィリップス
脚本:スコット・シルバー、トッド・フィリップス


キャスト
ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ、ザジー・ビーツ、フランセス・コンロイ、ブレット・カレン、ダグラス・ホッジ、ダンテ・ペイラ=オルソンほか


2019年アメリカ映画
上映時間:2時間2分


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6日の日曜日に沼津市民大学講座に行ってまいりました。ラジオ ニッポン放送の番組「あなたとハッピー!」木曜日ゲストの新潮社出版部部長 中瀬ゆかりさんのCMがきっかけであることは、前にもお伝えしました。講演のお題目は”「流転の海」を書き終えて”ということで作家の宮本 輝さん、中瀬さんとの対談形式で進行します。

市民大学講座.jpg


冷静に考えてみたら沼津市教育委員会主催の講義であり、ファンの集いではありませんので写真撮影や録音がNGというのは、あたり前田のクラッカー(笑) ましてやサイン会などもってのほか。でしたが、「流転の海」第9部(完結編) 「野の春」のサイン本発売は、ありました。


ラジオやTVでお馴染みの中瀬さんトークの期待は言うまでもなく「流転の海」を読んでいない私めが宮本 輝さんに興味を抱いたのは、中瀬さんが以前ラジオで紹介した「ルビンの壺が割れた」を読んで、その感想をネットで調べてみましたら宮本 輝さんの「錦繍(きんしゅう)」の方が面白いというコメントを発見してしまい、これもネットで購入しました。「ルビン」も「錦繍」もどちらもお手紙のやり取り形式のお話です。「錦繍」は、まだ読み終えていないので比較はできませんが、確かにこちらも惹き込まれます(実は、これにサインが欲しかったのです。読書に気合いが入りますから:笑)。


ルビンの壺が割れた.jpg 所蔵本


錦繍.jpg 所蔵本


そんな理由で出掛けた講座は、当然ですが「流転の海」についてです。中瀬さんの解説では、執筆に足かけ37年。脱稿するまでの原稿枚数が7000枚と紹介されました。作品は、宮本 輝さんのお父様のお話だそうですが、37年も書くことがあるって、どんな方なのか?(笑)


中瀬さんご自身もこの作品については相当の入れ込みようで、テル(輝)リスト(この表現だとちょっとやばい印象)を自認しておられました。導入は、書き終えた感想からで宮本さん曰く、脱稿後いろいろなメディアに出演するなど精力的に変化は、感じてはいなかったものの今年の2月ごろに多少の変調が感じられたとのことです。


父の小説を書くことを当時の編集者(新潮社)に何度も進められたことが発端で、「錦繍」(おおっ!)の執筆が終了後に着手されたのだそうです。執筆当初は、手書きでしたがだんだん手の震えがとまらなくなり、医者の診察を受けたあたりからワープロに転向。これによって文体が変わるのでは?と心配されたそうですが、文体に問題はなしと結論(文体って思考の部分だから執筆手段が変わることで影響するものなのでしょうか?)づけられました。


その後作品を熟知されている中瀬さんが、作品の中で心に刺さったキーワードを中心に質問が続きます。厳粛な講座なれど中瀬さんらしいメディア口調(くちょう)がポロリの場面もあり、会場が盛り上がります。キーワードのひとつに「どうにでもなる」というものがありました。これについて宮本さんは、森鴎外の「渋江抽斎」を4回も読み返していることを例にあげ、医療技術のなかった江戸時代は、多くの若い世代が簡単に亡くなってしまう。これからすれば医療技術が進歩し、高齢化の現代において、どのようなことがおきても「どうにでもなる」と結ばれていました。


生老病死。人生を表すこの言葉こそ「流転の海」にこめられているテーマのように感じました。奇抜な質問として、宮本さんの読まれている本というのがありまして、執筆のモチベーション維持に効くタイトルが、島崎藤村の「夜明け前」とモンゴメリの「赤毛のアン」全集だそうです。「赤毛のアン」は、意外でした。他スティーグ・ラーソンのミレニアムシリーズも絶賛されておりました。


終始笑いあり、なごやかな講演でした。講義後の質疑応答は予定にありせんでしたが、個人的には「次の執筆の題材を考えたとき、何を決め手とするのか?それともテーマで決定するのか」を質問してみたかったです(笑)


野の春.jpg 宮本輝さんサイン本


サイン本を買ったはいいけれど、「野の春」は最終巻です。1~8巻も販売されていましたが、お財布の事情で購入できませんでした。読書のお楽しみは、とっておきます(笑)


講演会場「プラザヴェルデ」を離れ、向かったのが「沼津魚河岸丸天」です。CMの歌詞にあるでっかいかき揚げを食べに行きました。


魚河岸丸天.jpg


注文したのは、かき揚げ丼です。


かき揚げ丼.jpg


かき揚げは、くずしてから食べると店員さんに教わりました。おいしかったのですが、量の多さでお腹が張ってしまい放心状態でした。大食いのギャル曽根さんは、スゴイですね(笑)


最後までありがとうございました。

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