「21ブリッジ」&「ファーザー」
先日届いたはがきを見て、ご無沙汰している友人に電話をしてみましたら元気そうな声を聴くことが出来ました。夜11時過ぎということもあり、自宅でおくつろぎ中の非礼をお詫びしましたらホテルで過ごしていると返答。何とPCR検査で陽性と診断されたのだそうです(友人にとうとうコロナ感染者が!)感染リスクは、常に意識しているつもりでしたが、さすがに友人の感染告白はショックでした。みなさま、どうぞご自愛くださいませ。
マーベル映画「ブラックパンサー」役でブレイクしたチャドウィック・ボーズマンさんの刑事役が、ハマっています。警察官8人殺害の強盗犯を追い詰める、事件解決まで一気見のクライムアクション。エンディングまで途切れない緊張感にしびれます。
鑑賞が終わって劇場を出た後の気分の良さと言ったらネタバレになるかもしれませんが、" 強盗犯の逮捕 " に特化したシンプルなストーリー展開なので鑑賞者もドキドキすることに集中出来ます(楽しめます)。しかもひっくり返るようなオチもちゃんと用意されていますからお腹も満たされます(笑)
21ブリッジは、マンハッタン島にかけられた橋の数を意味しているようです(セリフから察するに)。橋以外でも地下鉄などの交通網をすべて封鎖し、犯人を袋のネズミにしてしまう作戦らしいです。
強盗犯二人組はそもそも麻薬お目当ての小悪党。彼らも異変を感じるような想定外な流れに巻き込まれ、引くに引けない沼にはまります。単なる逮捕劇ではなく、裏で動く得体の知れない何者かのにおいが中盤からプンプンしてまいります。
麻薬捜査官とバディを組み、捜査にあたる刑事デイビス(チャドウィック・ボーズマン)の事件解決後の空を仰ぐ素顔が印象的でした。
監督:ブライアン・カーク
脚本:アダム・マーヴィス、マシュー・マイケル・カーナハン
キャスト
チャドウィック・ボーズマン、シエナ・ミラー、テイラー・キッチュ、J.K.シモンズ ほか
2019年中国・アメリカ映画
上映時間:99分
第93回アカデミー賞主演男優賞を受賞したのは、チャドウィック・ボーズマンさんではなくて、このかたでした。授賞式当日は、式に出席することもなく家で寝ていたなんて記事を何かで読みました(笑)
人生100年時代を喜ぶべきか、憂うべきか?出来る事ならピンピンコロリ、認知症だけはご勘弁。名優アンソニー・ホプキンスさんが、認知症患者をど真ん中に演じる力作。
日本映画「長いお別れ」では、山崎務さんが認知症を患った父親役を演じておりましたが、このお父さんは昔の思いでの場所に徘徊してしまう、リアルでありながらも和ませてくれる感動作として描かれていました。一方本作のアンソニー・ホプキンスさんは、認知症のリアルを追求した(とことん向き合った)問題作だと思います。
アンソニー・ホプキンスさん演じるお父さんは、とにかく自分の域を出られず、時計を盗まれたとか娘がフランスに移住して自分の面倒はどうするとか、記憶の書き換えをして健常者からすれば話のつじつまが合わないこじらせ父さんなんです。でもこれが現実のように思えてしまうんですよ。
かなり前に「NHKスペシャル」か、「クローズアップ現代」のどちらか(忘れました)で認知症が取り上げられて、それを見ていたのですが、レンズに映し出された認知症を患った祖母の姿は衝撃的でした。もう映画にするレベルではないんです。会話が成立しない、道端に生えている草を食べる。介護する娘さんは、先に他界したおじいちゃんに涙を流しながら「早くお迎えに来てあげてください」って言うんですよ。もう絶句でした。
コロナも怖いけど認知症も怖い、認知症の正しい怖がり方を教えてください
監督:フロリアン・ゼレール
脚本:クリストファー・ハンプトン、フロリアン・ゼレール
キャスト
アンソニー・ホプキンス、オリヴィア・コールマン、マーク・ゲイティス、イモージェン・ブーツ、ルーファス・シーウェル、オリヴィア・ウィリアムズ ほか
2020年イギリス・フランス映画
上映時間:97分
コメント 0