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「SNS-少女たちの10日間」&「砕け散るところを見せてあげる」

5月です。ゴールデンウイークは、足の踏み場がなくなった部屋の片付けで終わりました。この時期になってもコロナ禍が予断を許さない事態になっています。大作映画が再び延期になって、ゲームの巣篭り需要が好況であったりと業界も一喜一憂です。ホスト国である東京五輪は、どうなるのでしょうか?開催する、しない以前に海外の選手は参加してくれるのでしょうか?


SNS.jpg

この作品は、警察に例えるなら”おとり捜査”のようなドキュメンタリーです。現実のSNSを利用する少女たちの性暴力被害を問題視し、その実態を探るという主旨を理解した12歳の少女オーディションで選ばれた役者さん(大人)が実際にSNSで「お友達募集」をした10日間が描かれています。


現在は、子どもから大人まで幅広く利用されているSNSですが、その水面下で性暴力被害を被る少女たちが後を絶たない。この問題を直視し、実態調査を公開するという主旨で制作された本作の映像には啞然!呆然!


選ばれた役者さんは3名で、それぞれの子供部屋のセットが設営され、PCのSKYPE(スカイプ)を通じ、スタッフ立会いのもと、その模様を記録して行きます。


12歳の子供が発信する「お友達募集」に群がる大人たち。SKYPE(スカイプ)のお馴染みの呼び出し音の聴こえ方も違って聴こえてくるような彼らの行為は、下心見え見えでオオカミ丸出し。言葉巧みなオオカミたちに個人が特定できる写真を送ろうものならネットにばら撒くという卑劣さも常套手段。


ショッキングなのは、オオカミの中にスタッフも知っていた子供の施設で働く職員がいたこと。10日間のチャット接触者は、2458人。この数字をどう思いますか?


監督:バーラ・ハルポヴァー、ヴィート・クルサーク


出演

テレザ・チェジュカー、アネジュカ・ピタルトヴァー、サビナ・ドロウハー


2020年チェコ映画

上映時間:104分


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砕け散るところを見せてあげる.jpg

学校のイジメを題材としたドラマをイメージしていたのですが、そんな単純なドラマではありませんでした。イジメにあう女学生。彼女を救おうと奮闘するヒーローが深い闇に巻き込まれて行きます。


イジメという社会問題と向き合った作品は、TVドラマも映画も昔から量産されて参りましたが、本作の結末を見る限りでは、サスペンスを彷彿させるところに新鮮味を感じました。


心を開かない→無視される→いじめられても逆らわないということの代償は残酷です。いじめられる学生と親しくすれば、その学生にまで牙が向けられる。しかし、救われるのは弱気を助け、強きを挫くという信念で、いじめられている女学生 蔵本玻璃(石井杏奈)を守り、彼女と距離を縮める濱田清澄(中川大志)が、状況を変えていったことです(なんですかねぇ~、二人を見ていると肩が震えてきます)。


後半に描かれる玻璃の精神を蝕んでいた核心には足をすくわれました。イジメにあう要因=家庭環境。この因果関係が、イジメをテーマとした学園ドラマでは、終われない緊急事態に発展します。


監督・脚本:SABU

原作:武宮ゆゆこ「砕け散るところを見せてあげる」(新潮文庫)


キャスト

中川大志、石井杏奈、井之脇海、清原伽耶、松井愛莉、北村匠海、矢田亜希子、木野花、原田知世、堤真一ほか


2021年日本映画

上映時間:127分


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