「SKIN / スキン(短編)」&「SKIN / スキン(長編)」
梅雨が明けてから毎日暑いですが、最近金曜ロードSHOW!も熱いですね。視聴者リクエストに応えたり、ノーカット放送やってくれたり。先週の京都アニメーション作品「聲の形」は、色々な意味でナイスチョイスでした。個人的には2016年の劇場鑑賞以来でしたが、やっぱり泣けちゃいました(笑)
「スキン」は、短編と長編の2本立てでピクサー作品同様得した気分です。「スキン」の短編は、第91回アカデミー賞・短編実写映画賞受賞作だったのですね。納得です
短編作品というのは、星新一さんのショートショートみたいにオチが肝だと思っているのですが、「スキン」のオチは、まさにズキューン!心を撃ち抜かれました。平和な日本では絶対に作れない作品です。でも、これからもそんな日本であって欲しいと改めて思いました。このお話本当にありそうでアメリカ怖いです!
一方、「スキン」の長編ですが、こちらは実話に着想を得たドラマ。白人至上主義の組織幹部が、愛にめざめ組織を脱退、仲間から裏切り者のレッテルを張られ家族も狙われる羽目に。
愛にめざめ、組織を裏切るって、これ「デビルマン」じゃないですか(笑) いやいや決して茶化せるお話ではありません。組織の幹部ですから筋金入りのレイシスト(人種差別主義者)、全身に入れたタトゥーが何よりの証。
その幹部の男が愛した家族でさえ改心については、半信半疑なところもあり、組織と家族の間で悩みます。
テロや殺人も厭わない組織の一員として生きて来た男は、果たして生まれ変われるのか?
アメリカの作家アレックス・ヘイリーさん原作の「ルーツ」が昔テレビで放送されて、毎週見ていました。「ルーツ」は、アレックス・ヘイリーさんの祖先(クンタ・キンテ、チキン・ジョージ)のお話です。白人が、黒人を奴隷としてアフリカからさらってきて、強制労働させていた歴史が描かれていましたが、アメリカが建国する時代からはびこっている白人至上主義の問題は根深く、過去の話ではなく、今も火種。差別が貧困を生み、貧困が犯罪を生み、犯罪が憎しみを増殖させてゆく。この悪循環を断ち切るためにアメリカは今必死です。
重いテーマを背景に一大決心する男の壮絶で感動のドラマ。
監督・脚本:ガイ・ナティーヴ
キャスト
ジェイミー・ベル、ダニエル・マクドナルド、ダニエル・ヘンシュオール、ビル・キャンプ、ルイーザ・クラウゼ、カイリー・ロジャース、コルビ・ガネット、マイク・コルター、ヴェラ・ファーミガ ほか
2019年アメリカ映画
上映時間:118分
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