「透明人間」
先週6日に映画音楽の巨匠エンニオ・モリコーネさんが、91歳で他界されたとニュースで報じられました。「ヘイトフル・エイト」でアカデミー賞に輝いたことは記憶に新しいですが、何と言ってもマカロニウエスタンの楽曲にはしびれました、ご冥福をお祈りいたします。15日にはBSテレ東で「夕陽のガンマン」が追悼放送されますのでこちらは、チェックしておきたいと思います。
「透明人間」は、イギリスの作家H・Gウェルズが1897年に発表した古典SF小説です。初期の透明人間は包帯で覆われた姿が恐怖と言うよりはどこか滑稽さが否めませんでしたが、2000年に公開されたポール・バーホーベン監督の「インビジブル」では最新のVFX映像により薬でリアルに透明化する様子や狂気が鮮明に描かれていました。あれから20年経過し、本作も「インビジブル」とキャッチコピーがほぼ共通している点からしても見えない恐怖を存分に楽しめる内容で、透明化も進化しています。ここで描かれる透明人間は、近い将来だれもが透明人間になれるかもしれないことを予感させます。
経緯は不明ですが、夫エイドリアンの異常さに耐えかねたセシリアは、頃合いを見計らっで研究所兼自宅からエスケープ。しばらくの間、友人宅に身を寄せるセシリアですが、夫の性格からして外を出歩くことも出来ない精神状態です。ある日、エイドリアンの兄トムから弟が自殺したとの知らせを受けますが、信じられないセシリア。落ち着きを取り戻したところでエイドリアンの遺産相続にサインをしますが、それはおかしな出来事がはじまる予兆でした。
冒頭のシーンから不安と恐怖を煽る音響と音楽。見えない者の凶行をセシリアの仕業と思わせるサイコパスな心理戦。灰皿がすっ飛んだだけでビクっとさせられる無言の圧力。最後までドキドキです。
見えない者から受ける暴行シーンを演じる役者さんたちの演技が素敵!(笑) のっけから観客をドキドキモードに引き込むストレートな演出も二重丸(笑)
監督・脚本:リー・ワネル
キャスト
エリザベス・モス、オリヴァー・ジャクソン=コーエン、オルディス・ホッジ、ストーム・リード、ハリエット・ダイアー、マイケル・ドーマンほか
2020年アメリカ・オーストラリア映画
上映時間:126分
2000年公開のポール・バーホーベン版「インビジブル」も面白いですよ
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