So-net無料ブログ作成

第8回茅ヶ崎映画祭「歩いても歩いても」&是枝 裕和監督トークショー

IMG_3798.jpg


29日は、予定通り 第8回 茅ヶ崎映画祭「歩いても歩いても」を鑑賞致しました。上映後の是枝 裕和監督トークショーお目当てに多くのファンが集うということを想定して1日前にチケットを取りに行きましたら、両サイドとポツンと数席を残しての満席状態でした(危なかった~)。作品鑑賞はもちろん、監督のトークが目的なので、二列目をキープ出来たことはラッキーでした。


茅ヶ崎映画祭.jpgスクリーンに映し出された映画祭タイトル


「歩いても歩いても」は、2008年の上映作品で私が拙ブログをスタートした年と重なり、ご縁を感じてしまいました(無理やりこじつけ:笑)。


是枝監督は、トークショー前日までフランスで次回作の制作に携わっておられたようで、当日羽田空港から直行されたそうです。フランスでの制作業務の延長や便の遅れがあったら監督不在もあり得たそうなので、トークショーが実現してよかったとしみじみ思います(一番ハラハラしたのは、主催者である実行委員の方達でしょう、ご苦労様です)。


「歩いても歩いても」は、樹木 希林さん初の是枝作品出演作だそうで、前年の「東京タワー」に出演された後に是枝監督がオファーしたのだそうです。出演依頼に対し、すぐに了解はもらえなかったそうですが、面白いのは自分(希林さん)以外でこの役の候補者は、誰なのかという質問に対し、監督が二名の役者さんをお伝えしたところ「その二人よりは、私の方がいいかもしれないわね~」と答えられたのだとか。希林さんらしいユーモアを感じます(笑)


作品は、今さら説明するまでもない名作ですが、まだ未見の方には是非、お勧めしたい作品です。とは言いつつもこれ以降ネタバレ オンパレードとなりますが…(笑) 映画は、制作、出演者、苦労話などを知ることで作品に対する興味、好奇心が膨らみ、楽しみが倍増します。ましてやトークショーなどのライブとなれば、これ以上はありません。


両親が暮らす神奈川県三浦市の実家に、独立していった娘、息子が夏休みの機会に家族を伴い帰省する二日間が描かれた作品です。どこにでもある家族の日常。しかし傍目の印象と当事者たちの関係はぜんぜん違ったりします。他人には、窺い知れない、家族間の秘密、悩み、確執が、帰省という家族イベントを通じて赤裸々に語られます。ボソッと飛び出す家族ならではの本音トーク(他人様には、決して言えない!)、これも含めて家族なのでしょう。普通の営みのようにサラッと鑑賞者に伝えながら、考えさせられる。何気なく、タイトルに由来した小ネタや落ちまで用意されているサービス精神。何度も見返すことで発見する楽しみもあります。


是枝裕和監督.jpgトークショーでの是枝監督


上映終了後のトークショーは、実行委員長の森さん(茅ヶ崎館・五代目館主)と是枝監督の対談形式で進み、後半は質問コーナーが設けられました。是枝監督は近年、年に1~2回ほど茅ヶ崎館(故 小津 安二郎監督の定宿としても知られる)で執筆されるご縁があり、トークショーに結びついたのだそうです。対談は、作品や樹木 希林さんの話題を中心に料理の話、YOUさんのお話等々色々なエピソードを披露して頂きました(忠実をモットーとしておりますが、メモをとっていないので詳しく紹介出来ないこと、情報量の多さによる失念、勘違いなどお気付きの点、ご容赦頂きますようお願い申し上げます)。料理につきましては、監督曰く、監督のお母さまのご指導だそうですよ。


質問コーナーでは、是枝監督ファンの集まりだけあって質問時間が足りませんでした。質問は、役者さんのアドリブについてや劇中歌、演技についてなどコアな内容が多く、ロケ地については実際に足を運ばれた方も…。

役者さんのリアルとバーチャルの演技の使い分けについての質問で、希林さんが語られていたことに、「殺人」の演技は誰も経験がないので思ったように演じればいいけど、「調理シーンは誰もが経験していることなので慎重に演じなければいけない」という談話は印象に残りました。


ここからは、記憶の限りですが対談や質問内容も絡め、作品を振り返って参ります。

歩いても歩いても平塚.jpg

まず、気になったのがこのシーン。三浦の実家で暮らす父親(原田 芳雄)が、冒頭で海へ散歩に出掛けます。その沖に浮かぶ鉄塔は?


実は、ここは三浦海岸ではなく、平塚海岸です。浮かぶ鉄塔は「平塚総合海洋実験場」で、監督曰く色々な場所を組み合わせているそうです。


歩いても歩いても髪の毛.jpg

これは、役者さんのアドリブについての質問に監督がこたえた内容のワンシーンです。シナリオは、監督がすべて手掛けていて特にアドリブは、ないそうですが希林さんが、YOUさんにおでこを見せるようにというアイデアは、お二人のやり取りを見ていて採用したのだそうです。ちなみにYOUさんは、長女ちなみを演じていて娘、息子と旦那の4人家族。良太よりも先に実家に到着しています。


YOUさんは、台本を読まないそうですが、本番は完璧なのだそうです(監督談)


歩いても歩いても三浦駅.jpg

実家のある三浦に次男家族到着。右手に三浦海岸の看板が確認出来ます。次男良太(阿部 寛)は、連れ子のいるゆかり(夏川 結衣)と結婚しています。


歩いても歩いても集合.jpg

娘、息子の家族に囲まれての記念撮影。おばあちゃん(樹木 希林)が抱えている遺影は、長男のもので家業の医者を継いでくれる期待が、かかっていました。


歩いても歩いてもレコード.jpg

長女ちなみの家族は帰り、良太の家族と夕食の団欒。父親 恭平が、カラオケで「スバル」を歌うという話になって、おばあちゃんが、演歌の「スバル」と言ったことに恭平が「スバル」は演歌じゃないよと返します。このセリフも原田 芳雄さんの会話を監督が採用したそうです。


想い出の歌謡曲の話でおばあちゃんが、良太にレコードをかけるお願いをします。これが、いしだあゆみさんの「ブルーライトヨコハマ」ですが、歌詞にタイトルの「歩いても歩いても」が流れます。


質問コーナーで会話の「ブルーライトヨコハマ」の流行った年代を元号ではなく、西暦だったことについての質問に対し、監督は意識したわけではなく、西暦で覚えていただけとコメントしています。


歩いても歩いても遺影に蝶.jpg

このシーンは、部屋に迷いこんだモンキチョウが長男の遺影にとまったところを良太が捕まえるシーンです。おばあちゃんが、長男だと思って捕まえようとしたあとのことですが、この思想は、日本だけのことではなく、アジア圏なら理解されるとコメントされていました。


歩いても歩いても平塚海岸.jpg

翌朝、良太親子とおじいちゃんは海へ。ギクシャクした関係も少しは、改善?ここもロケ地は、平塚海岸です(笑)


歩いても歩いても見送り.jpg

おじいちゃん、おばあちゃんのお見送りです。

この3年後おじいちゃんは他界。間もなく後を追うようにしておばあちゃんも他界してしまいます。


歩いても歩いても帰宅.jpg

このシーンは、おばあちゃんとおじいちゃんのお墓参りのあとです。車に乗り込む家族の中には、息子と良太とゆかりの間に授かった娘も同行しています。良太は、以前車の免許がありませんでした。結局、車で旅行に連れて行くことは、かなわなかったと語られています。


歩いても歩いてもエンドロール.jpg

エンドロールに流れるゴンチチのメロディが、この作品を走馬燈のように回想させてくれます。字幕に流れる加藤 治子さんにつきましては、監督が昔から気に掛けていらしたそうです。


ここまでお付き合いくださりありがとうございました。


素晴らしいメモリアルな一日となりました。貴重なお時間とお話を拝聴させていただいた是枝監督と茅ヶ崎映画祭実行委員の皆様に感謝するとともに今後のご活躍とご発展を祈念いたします。

nice!(37)  コメント(0) 
共通テーマ:映画

nice! 37

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。