莫逆家族 バクギャクファミーリア
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人気コミックの映画化作品「莫逆家族 バクギャクファミーリア」の感想です。莫逆家族と言ってもここで描かれている家族とは自分の家族も含め、それを超えた仲間を意味しています。関東一の暴走族＜神叉＞の元総長だった男 火野 鉄は昔の威厳はどこへやら息子にもなめられ、今や家族としての機能も呈していない状況の中、建設現場の作業員として鬱屈とした日々を過ごしています。ところがある日仲間の娘が不良に暴行され、この事件を発端に心の導火線に火が付きます。一度燃え出した炎は鎮火するどころか、過去の遺恨にも飛び火して、後戻り出来なくなってしまいます。時は流れても強い絆で繋がっている仲間（家族）たちのバイオレンスなストーリーは圧倒的な迫力と傷つけあう虚しさが詰め合わせの人生ドラマです。
私が気になったのは火野 鉄を演じたお笑い芸人チュートリアル徳井 義実の存在です。実はチュートリアルのことを何も知りませんでしたので鑑賞中この役者さん誰！？という疑問をずぅ～っと引き摺っておりました。帰宅してから手っ取り早いウィキペディアで調べてみましたら、まあ色々記されておりまして、どんなお笑い芸を披露するのかは解りませんが役者としても食べて行けることをこの作品が証明してくれました。お笑い芸人としての徳井 義実を知っている人は、違う一面を観ている感動があるのかも知れませんが私の場合は、逆にお笑い芸人の徳井 義実を観てみたくなりました。
これまでの邦画バイオレンスで印象に残っているのは北野監督の「ブラザー」と井筒監督の「ヒーローショー」ですが飛び道具を使う「ブラザー」は仲間という視点では共通していて、バイオレンス面では「ヒーローショー」に近い、そんな本作も強く印象に残りました。
【莫逆：ばくぎゃく】…何事にも心から通じ合い、極めて親しい関係、またはあいだがら。
この作品とはぜんぜん関係がありませんが暴走族と言うと苦い思い出があります。バドミントンの練習を終えての帰宅途中、対向車線を走行して来る無法者集団がセンターラインをはみ出す蛇行運転を始め、前を走っていた車は予期せぬ急停車でブレーキが間に合わずオカマを掘ってしまいました。無法者達はそしらぬ顔してそそくさと通り過ぎ、警察に連絡後取り調べが始まると、ぶつけた私は犯罪者扱いでした。事情を把握している他の警察官は現場検証中の警官を指して「あの人、何をしたいんでしょうね？」と呆れておりました。後日ぶつけた相手から首が痛いと連絡が入り保険屋さんも難儀、おまけにマイカーの修理という予定外の出費も嵩み精神的、経済的にも痛かったなぁ～（生々しいお話ご勘弁！）。こんな経験から暴走族には遺恨のある私ですが、暴走族の迷惑運転は未だに後を絶ちません。取り締まりを厳しくすれば無くなるという単純な問題ではありませんが問題の根っこは何なのか？根本の原因に目を向けて欲しい社会問題です。
監督：熊切 和嘉
脚本：宇治田 隆史
原作：田中 宏
キャスト
火野 鉄（徳井 義実）、火野 周平（林 遣都）、横田 あつし（阿部 サダヲ）、川崎 浩介（玉山 鉄二）、渡辺 満（中村 達也）、緒方 透（新井 浩文）、火野 鉄新（井浦 新）、前田 梅（大森 南朋）、夏目 裕二（北村 一輝）、五十嵐 けん（村上 淳）、ドンばー（倍賞 美津子）
2012年日本映画
上映時間：2時間7分
8日付けの朝日新聞の記事で気にかかるものがありました。それはショートショートの名手星新一の作風を人工知能に分析させ、新しい小説を書かせる試みを公立はこだて未来大学の教授が始めるというものです。クイズや将棋で人間に勝利した人工知能が創作でどこまで迫れるかが注目されると続きますが興味深いですねぇ～。短い時間で、どこからでも読める。意外な落ち、はぐらかし、屁理屈、騙しなど珠玉のアイディアが凝縮され心の高揚感が味わえるショートショートは私のライフスタイルにあっていて、中でも星新一は神様です。ボーカロイド初音ミクが世に受け容れられる時代にあって、電子作家は何て呼称されるのでしょうか？5年以内の執筆を目指し、コンテストで評価してもらうことを検討していると括られています。
徳井義実と加藤ローサが出ていた映画は良かったなー。
「ふっ」と上に息を吐いて前髪をふわっとさせるヤツです。
by k_iga (2012-09-16 15:40)
k_iga さん、おはようございます。
徳井 義実は他にも映画出演しているそうですね。
私は「莫逆・・・」しか見ていないのですが、機会があれば
ＤＶＤを借りて観てみたいと思います。
by einstein (2012-09-18 00:42)