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武士の家計簿

先週、友人宅で開催された忘年会に参加させて頂きました。集まった友人は平成元年にブルネイで一緒にホームステイを経験した仲間たちで、あれから22年も経過したのに年を取ったこと以外何も変わっていない屈託のないメンバーであります。友人の息子さん(長男)がアマチュア2段という将棋の腕前ということなので帰宅を待ちわびておりました。私もPCの将棋ソフトで鍛えた経験がありますので少々自信はあったのですが帰宅した息子さんの二男がまず、自分と勝負しようと持ちかけて参りましたので応じることに致しましたが普段から兄弟で何度も指しているのでしょう、結果は両者入玉で引き分けでした。仲間が一人、また一人と帰る中、2時間近く差したのでお兄ちゃんとの対戦はお預けとなりました。とても楽しくて気持ちよく疲れた忘年会でしたが内心はお兄ちゃんにはちょっと勝てそうもないかな~。

武士の家計簿.jpg 前売り券

時代劇が今年は多いと感じた邦画界でしたがその中でも毛色の違う作品「武士の家計簿」を紹介します。派手な殺陣もなければ大どんでん返しがある訳でもない、実在する家計簿から生まれたある家族の物語は本来スポットがあたることのない地味な御算用侍に光を照らし、出世欲も無く、そろばん一筋日々やるべきことをこなし、ただ、数字が合わないことに納得が行かない侍がその道で認められ頭角を現して行く流れ、身分に比例し何かとお金の掛る武家社会の構造から一家に降り注ぐリスクを家族が一丸となって乗り切って行く姿は今も昔も変わらないリアルがそこにあります。いつの時代でも話題に事欠かない不正な会計処理、人の伺い知れないところで私腹を肥やすという所業、そんな不正に不審を抱いた侍が刀ではなくそろばんで挑みます。表舞台に出ることはなくても縁の下の力持ちと呼ばれる多くの下支えをしている人々に因って世の中は成り立っている訳でありますが事業仕分けが市民権を得た昨今、ある面でタイムリーな作品かもしれません。

オープニングは幕末から明治へと移り変わった時期に職制の青年(直吉)が父や祖父の時代を語り部として遡ることから始まります。代々加賀藩の財政に携わる御算用の家系である猪山家は直之で八代目。直之は剣の腕前はからっきしだが同僚からそろばん馬鹿と異名をとるほどの実直で仕事熱心な若侍。そろばん以外特に秀でたものはないが武士としてのプライドは失わず、親の縁談で祝言をあげるという極々普通の人生を送っています。そんな直之が授かった嫡男の直吉が4歳を迎える頃、儀式である ” 袴着の祝い ” をお披露目する時点で武家としての世間体から猪山家は膨大な借金を抱え、破綻寸前の窮地にありました。直之はこの危機を乗り切るため、世間体よりもお家を潰す方が恥と家族を説得し、家財一式を処分、質素倹約をもって借金返済に充てるお家立て直し計画を実行します。これを機に息子の直吉に毎日家計簿を付けることを命じ、一子相伝の厳しいそろばん修行が始まります。

私は小学生の頃親の勧めでそろばん塾に通った経験がありますが三日坊主でした、社会人になって会計の仕事を担当したこともありますが計算が合わずイライラ。仕方なく経理のお嬢様に教えを請うと「こんなことも知らないで会計やってるんですか?」の一言にカチーン!会計は自分には向いていないと実感したあの時の出来事を懐かしく思い出しつつ、この作品を楽しんでおりました。それにしても後ろの席にいた人生の先輩格のおじ様二人が作品の場面場面で「あの奉行は現在で言うと課長だな」等と周りを気にせず終始おしゃべり。会計に纏わることでは運が悪いかも?という拙いお話でお茶を濁してしまいましたがこの作品、実はお薦め作品です。

監督:森田芳光
脚本:柏田道夫
原作:磯田道史
キャスト
猪山直之(堺雅人)、猪山駒(仲間由紀恵)、猪山常(松坂慶子)、猪山信之(中村雅俊)、おばばさま(草笛光子)、西永与三八(西村雅彦)
2010年日本映画
上映時間:2時間9分

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