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必死剣鳥刺し

毎日ドライブしていると色々なことがあります。事故や渋滞は日常茶飯事、それと動物の死骸によく出喰わします。昨日は午前中、横須賀方面へ出かけましたが走行中100mくらい前方の路肩に後ろ足が伸びきったネコが横たわっていました。もう見慣れた光景であり、見たくもない光景です。でもその為にわざわざ迂回するのも面倒なのでその横を通過しましたら「ウワッ!動いた!」。ネコは死んではいなかったんです。あまりの暑さに日陰になっているコンクリート部分で体を冷やしていたようですね。勝手に思い込みビックリした次第です。彼らは一年中毛皮を見に纏って生活している訳ですし、毛皮を脱ぐことも出来ません。きっと人間が感じている以上に暑いのでしょう?

必死剣鳥刺し.jpg 前売り券

映画化のデパート小説作家藤沢周平の「必死剣鳥刺し」を紹介します。妾に溺れ言いなりになるしょうもない主君。主君に仕え命を掛けるけなげな家臣、家来たち。しかし、主君の威を手玉に取り理不尽で横暴な妾の振る舞いに不満を募らせつつも誰ひとり逆らうことが出来ず、圧政に苦しむ民百姓も限界に!この現状に危機感を感じた兼見三佐エ門(豊川悦司)は極刑を覚悟の上で海藩藩主 右京太夫(村上淳)の妾 連子(関 めぐみ)を刺殺。しかし、下された沙汰は一年の閉門。藩のために命を賭して決断した刃傷と受け取られたうえに再び主君に仕えることを許された温情に戸惑いを感じつつも誠心誠意忠義を尽くす男の波乱の人生に歌手アランがバラードを添えてくれます。

江戸時代の武士たちは死ぬために生きる。兼見三佐エ門はそういう時代に生きる看板的な存在として描かれています。主君の妾を刺殺したのに極刑にならないばかりか再び主君に仕えよとはまさに「うまい話にゃ気を付けろ!」と誰が言ったか先人の言葉通り己の人生は翻弄されっ放し、それでも従うしか術がない。妻を亡くして以降閉門の刑に服している間も献身的に尽くす姪の里尾(りお)との禁断の愛、運命を悟ったのかこの愛に応えた彼の気持ちを察します。禁断とは言っても許してあげたくなるほどうまい筋書きは技あり。また、本来なら一番馬が合いそうな海藩の別家 藩主である帯屋隼人正(吉川晃司)との望まぬ対決など何もかも歯車がかみ合わず不本意な事情が日常的に展開する運び、昔も今も変わらない普遍的な要素も面白いです。

ラスト15分の斬り合いの原因も明かされますがこれがひどいんですよ、原作なのか、脚本家の案なのか解りませんがこの筋書きを考えた作家はサドですね。どこまで三佐エ門を奈落の底に突き落とせば気が済むのか。全体的にへこんでしまいそうなお話ですが救われるのは里尾(池脇千鶴)の献身的な愛、これに尽きます。

このシリーズはタイトル通り必殺剣が見せ場でもありますが今までに無い斬新な技でした。この技を私流の感想一言で表現するならば「ウワッ!動いた!」でありましょうか。

原作:藤沢周平
監督:平山秀幸
脚本・プロデューサー:伊藤秀裕
主題歌:alan 「風に向かう花」
キャスト
兼見三佐エ門(豊川悦司)、里尾(池脇千鶴)、帯屋隼人正(吉川晃司)、津田民部(岸部一徳)、右京太夫(村上淳)、連子(関めぐみ)

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